貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6701 NEC

東証P
12,450円
前日比
+185
+1.51%
PTS
12,445円
13:32 11/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
20.1 1.74 1.12 6.09
時価総額 33,970億円
比較される銘柄
富士通, 
日立, 
パナHD

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ネクスグループ Research Memo(6):2023年11月期は減収減益。早期黒字化に注力する(2)


■ネクスグループ<6634>の業績動向

データ通信端末については、5Gデータ端末「UNX-05G」の出荷を2023年3月から開始した。同製品は、マルチキャリアの周波数に対応し、Wi-FiやEthernetを搭載したバッテリーレスのルーター・モデムである。5Gは、LTEと比べて超高速・大容量な通信で多数同時接続、超低遅延を実現するものである。KDDI<9433>のIOTの認証、富士通が提供するローカル5Gスタンドアロンシステム「Fujitsu Network PW300」との接続検証済製品として認定、日本電気<6701>(NEC)が提供するローカル5G Sub6一体型基地局「UNIVERGE RV1200」との「接続検証済端末」として認定されており、今後も日本全国に基地局の展開が計画されている。また、メタバース関連サービスの通信インフラ、ライブメディアストリーミング、エクステンデッドリアリティ(XR)、遠隔医療、建設現場の建機遠隔制御、工場のスマートファクトリー、農業を高度化する自動農場管理、自治体の河川などの監視など、建物内や敷地内で専用の5G環境をスポット的かつ柔軟に構築・運用できる、ローカル5Gへの活用など、地域課題解決や地方創生への対象領域の拡大が期待される。

テレマティクスについては、OBDII型データ収集ユニット「GX700NC」が市場を確保している。同製品はNTTドコモ/KDDI/SoftBankの国内の主要なLTE周波数や、準天頂衛星システム「みちびき」など5方式の全球測位衛星システムに対応している。より多くの衛星測位システムを使うことで、ビルや樹木などで視界が狭くなる都市部や山間部でも測位の安定性が向上した。同製品が活用されるクラウド型車両管理・動態管理システムは、法的規制の強化や車両管理業務の効率化、ドライバーの減少・高齢化など市場を取り巻く社会環境の影響により需要が増加傾向にある。排気ガス測定・管理や今後増加するEV車の充電・電費・残量管理など、SDGsへの取り組みなどにも活用の範囲が拡がることが期待される。

農業ICT事業では、農作物の生産、加工、販売を行う「6次産業化事業」と、特許農法による「化学的土壌マネジメント」+ICTシステムによる「デジタル管理」のパッケージ販売を行う「フランチャイズ事業」の事業化を推進している。「6次産業化事業」では、スーパーフードとして人気の高いGOLDEN BERRY(食用ほおずき)の生産・販売を行っており、加工品のGOLDEN BERRY アイス及びGOLDEN BERRY フレッシュリキュール、セミドライゴールデンベリーを販売している。「フランチャイズ事業」では、自社試験圃場での栽培実績をもとに、独自の特許農法(多段式ポット)とICTシステムの提供に加えて、顧客の要望に沿った多種多様な農法・システム・農業関連製品を提供する農業総合コンサルティングサービスを展開している。

(3) 暗号資産・ブロックチェーン事業
売上高は60百万円(前期比92.4%減)、営業利益は27百万円(同96.5%減)となった。暗号資産の一部売却を行ったことで、営業利益を計上している。同事業は暗号資産市場の動向と資金効率を踏まえた安定的な運用を行っている。引き続きNCXCを利用したサービスの向上、NCXCの流通促進、NCXC保有者の拡大を通じたNCXC経済圏の拡大を目指し、価値向上に向けた取り組みを行っている。また、「NCXC GameFiプラットフォーム」に関しても開発が進捗しており、ゲーム会社とのアライアンスにより、世の中で既に実績を上げている他社ゲームタイトルを中心に、これらを簡単にPlay to Earnのゲームに転換できるプラットフォームサービスを提供していく。

3. 財務状況及び経営指標
2023年11月期末の資産合計は前期末比454百万円減少し、3,080百万円となった。内訳を見ると、流動資産が同75百万円増加した。現金及び預金が25百万円、売掛金が89百万円減少した一方で、仕掛品が77百万円増加したことによる。固定資産は同530百万円減少した。これは、投資有価証券が500百万円減少、のれんが97百万円減少したことによる。

負債合計は前期末比108百万円減少し、118百万円となった。主な要因は、支払手形及び買掛金が32百万円、有利子負債が67百万円、未払費用が33百万円減少したことである。

純資産合計は前期末比345百万円減少し、2,961百万円となった。主な要因は、その他有価証券評価差額金が309百万円増加した一方で、利益剰余金は657百万円減少したことである。有利子負債の圧縮と資本の増強を目的に、2022年2月に1,021百万円の借入金及び未払債務の株式化(DES)を実施したことで負債が大幅に減少し、財務基盤の強化が図られている。

経営指標を見ると、安全性を表す指標のうち、流動比率は前期末比664.1ポイント改善し1,299.3%となった。固定資産には換金性の高い投資有価証券も多くあり、事業継続のための資金繰りについては問題ないと弊社では考えている。有利子負債の減少により自己資本比率も2.7ポイント上昇し96.0%となった。加えて、有利子負債比率も前述のデット・エクイティ・スワップの実施により大幅に改善しており、長期的な財務安全性に懸念はないと弊社では見ている。

4. キャッシュ・フローの状況
2023年11月期末の現金及び現金同等物の残高は483百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは148百万円の支出となった。これは主に、投資有価証券評価損623百万円、のれん償却額97百万円、売上債権の減少89百万円があった一方で、税金等調整前当期純損失が630百万円、投資有価証券売却益134百万円、棚卸資産の増加額75百万円があったことによる。投資活動によるキャッシュ・フローは188百万円の収入となった。これは主に、投資有価証券の売却による収入276百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出47百万円、無形固定資産の取得による支出48百万円があったことによる。財務活動によるキャッシュ・フローは66百万円の支出となった。これは主に、短期借入金の純減額50百万円があったことによる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)

《SO》

 提供:フィスコ

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