貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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4452 花王

東証P
6,208円
前日比
+10
+0.16%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
27.7 2.90 2.45 7.57
時価総額 28,923億円
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RIZAP-G Research Memo(9):中期経営計画改定し2027年3月期に営業利益40,000百万円を目指す


■成長戦略・トピックス

1. 中期経営目標の改定
RIZAPグループ<2928>は2026年3月期を最終年度とする中期経営計画を推進中だが、chocoZAP事業の進捗が好調に推移していることや、潜在市場が大きいことから、より大きな目標を目指すこととなった。2026年3月期のRIZAPグループ連結の営業利益目標は30,000百万円で変更はないが、事業別の内訳は変更となった。RIZAP関連事業(chocoZAP含む)は24,000百万円(変更前は17,700百万円)、その他既存事業は9,500百万円(変更前は14,000百万円)である。chocoZAP事業の成長のリアリティが増すなかで上方修正された一方で、ライフスタイルを含むその他既存事業では外部環境の不透明性(インフレ、人件費上昇、為替変動等)が収益改善を遅らせる可能性を織り込んだ。また2027年3月期の営業利益目標40,000百万円を新たに追加し、chocoZAP事業の持続的成長を計画した。chocoZAP事業に関しては、KPIに関してもより明確に計画が公開された。会員数では2026年3月期に275万人、2027年3月期に350万人を前提とする。店舗数は2026年3月期に2,000店を目指すとしてきたが、2,800店に上方修正した。2027年3月期には3,800店を目指す。

2. 出店ポテンシャルの拡大・見直し
中期経営計画の改定にあたっては、出店計画やそのポテンシャルが大きく見直された。2026年3月期に2,800店(変更前は2,000店)、2027年3月期に3,800店、長期的には1万店を目指すというビジョンである。その背景には、小商圏で確実な会員獲得や収益化が可能であることが判明したことがある。chocoZAPの店舗利用者は1km以内に居住する人が60%、2km以内に居住する人が85%である。逆に言えば、1~2km圏内に一定以上の人口があれば成立する小商圏ビジネスモデルと言える(コンビニエンスストアの商圏は500m前後と言われている)。また地方都市への拡大も可能性を広げた。2024年3月期は、出店の51%が大都市店舗(東京都、千葉県、神奈川県、愛知県、大阪府、福岡県)であるのに対し、49%はそれ以外の地方都市の店舗だった。店舗当たりの会員数では大都市店舗を下回るものの、固定費を安く抑えられることで十分収益性が成り立つ。既に全国で2,000件以上の候補物件を調査中であり、2025年3月期の出店再加速に向けて、準備を進めている。

3. chocoZAP第2の収入源:広告プラットフォーム事業
同社は、新規事業として広告プラットフォーム事業「chocoZAP Partners(チョコザップパートナーズ)」を、2024年2月より本格展開することを発表した。「chocoZAP Partners」は、これまで存在しなかった「体験型コミット広告」であり、会員の自己実現への寄与も狙う。chocoZAP会員100万人以上に対して、商品サンプリング、店内広告、アプリ内コンテンツ、DM配信など様々なチャネルを活用した「体験型コミット広告」を提供できる。なお、店舗サイネージは3万台導入予定であり、同社ならではの顧客接点として注目される。また、すべての顧客接点を顧客IDで一元管理できる点、広告接触者のデータを継続的に捕捉/集計可能な点は、この仕組みの独自性である。収益モデルの観点からは、追加投資がかからないこと、収益性が高いことなどに優れており、現在の本業ではないものの大きなポテンシャルを持つ事業と言えるだろう。なお、開始から2ヶ月ではあるが、花王<4452>、コーセー<4922>、キッコーマン<2801>などをはじめとする大手企業からローカルな企業・店舗まで、様々な出稿が予定されている。

4. chocoZAPによる社会課題解決「官民連携コンビニジム」
同社では、chocoZAPを活用した社会課題解決への取り組みを開始している。地方自治体では高齢化に伴い、医療費・介護費増加、人口減少、労働力不足、空き家の増加、地域コミュニティ衰退が課題となっている。特に地方では高齢者の下半身の筋力不足が顕著であり、健康寿命にも影響する。同社では地方自治体と連携し、官民連携コンビニジムを出店し、運動習慣の定着・筋力低下予防、空き家活用、地域住民の交流促進に寄与したい考えだ。既に1号店(兵庫県養父市)では、過疎地域での出店にもかかわらず会員数確保に成功した。このような地方には、空き店舗、公民館・図書館、廃校舎、待合室、公営スポーツ施設、道の駅・SA・PAなど候補地にはことかかない(10万ヶ所超)。最大の強みは無人店舗によるローコスト運営である。同社では、2026年3月期までに300店舗の官民連携コンビニジムの出店を目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《SI》

 提供:フィスコ

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