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8940 インテリックス

東証S
732円
前日比
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単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
6.6 0.47 4.64 6.14
時価総額 65.4億円
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インテリックス Research Memo(1):「エコキューブ」をはじめとする新規事業分野の育成に取り組む


■要約

インテリックス<8940>は中古マンションをリノベーション(再生)してから販売するリノベーションマンションの先駆け的企業で累計販売戸数は2.6万戸超と業界トップの実績を誇る。同マンションの販売を中心としたリノベーション事業と、1棟もの収益不動産物件の販売やアセットシェアリング事業(不動産小口化販売)、リースバック事業、ホテル事業等で構成されるソリューション事業を展開し、収益ポートフォリオの多様化と安定化に取り組んでいる。また、2021年から省エネリノベーション「ECOCUBE(以下、エコキューブ)」の販売を開始するなど、脱炭素社会に貢献しながら成長を目指す戦略を打ち出している。

1. 2024年5月期第2四半期累計の業績概要
2024年5月期第2四半期累計(2023年6月-11月)の連結業績は売上高で前年同期比26.5%増の22,670百万円、営業利益で同26.8%増の239百万円となった。売上高は、リノヴェックスマンションの販売増(同11.6%増の652件)によりリノベーション事業が同22.9%増となったほか、ソリューション事業も物件販売増とホテル事業の稼働率上昇等により同59.7%増と好調に推移した。利益面では、リノヴェックスマンションの売上総利益率低下によりリノベーション事業が減益となったものの、ソリューション事業の増益でカバーした。リノヴェックスマンションは事業期間が長期化して過剰在庫となっていたため、第2四半期までは仕入れを抑制し(同48.8%減の348件)、在庫圧縮による財務体質の強化を優先した。この結果、在庫水準が適正化し自己資本比率も前期末の25.8%から29.8%に上昇した。

2. 2024年5月期の業績見通し
2024年5月期の連結業績は売上高で前期比17.7%増の48,543百万円、営業利益で同8.4%増の769百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率は売上高で46.7%、営業利益で31.2%とやや低めだが、下期はアセットシェアリング商品で20億円、リースバック物件の流動化で18億円の売上計上を予定しているほか、リノヴェックスマンションも仕入活動を積極化して通期で前期比16.2%増の343億円(販売件数で同8.5%増の1,250件)を見込んでいる。第3四半期の仕入件数がどの程度回復するかが鍵を握るが、計画達成は射程圏内にあると弊社では見ている。

3. 成長戦略
同社は2024年5月期の重点方針として、「既存主軸事業の再構築」と「先行投資事業の拡充」に取り組んでいる。既存主軸事業であるリノヴェックスマンションは在庫調整が完了し、今後は良質な物件の仕入強化と施工期間短縮及び早期売却によって事業回転率を高め、リスク低減と収益性向上の両立を図る。また、先行投資事業については「エコキューブ」の普及拡大に向けて「断熱」「換気」「消費エネルギー」それぞれの性能をアップするとともに施工期間の短縮・コスト低減を実現したバージョンアップ版を2024年内に投入する予定となっている。国のガイドラインに基づいた省エネ性能の“見える”化(省エネルギー性能レポートの作成)も既存住宅において業界に先駆けて導入し、リノベーションマンションにおける省エネ化をリードし、差別化を図る戦略だ。また、中古マンションの直販専門サイトとして最大級となる「FLIE(フリエ)」に関連したサービスとして、不動産売買・仲介事業者向けDXサービス「FLIE ONE」を2023年10月にリリースした。物件確認システムやセルフ内見システムなどのオンラインサービスのほか付随するオフラインサービスも一体化して提供するサービスとなり、大手不動産仲介会社によるトライアル導入も増えている。早ければ2025年5月期にも収益貢献するものと期待され、今後の動向が注目される。

■Key Points
・2024年5月期第2四半期累計業績は2ケタ増収、営業利益も販管費抑制で会社計画を上回る増益に
・在庫圧縮により財務体質を強化、自己資本比率は30%弱まで回復
・2024年5月期業績は期初計画を据え置き、増収増益を目指す
・省エネリノベーション「エコキューブ」の普及拡大により、中長期的な成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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