アンジェス---23年12月期は大幅な増収、損益面では大幅に改善
アンジェス<4563>は9日、2023年12月期連結決算を発表した。売上高が前期比128.1%増の1.52億円、営業損失が119.67億円(前期は163.16億円の損失)、経常損失が56.51億円(同146.10億円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が70.36億円(同147.14億円の損失)となった。
当年度の事業収益は大幅な増収となった。HGF遺伝子治療用製品コラテジェンの条件及び期限付製造販売の承認を取得し、販売している。2023年5月31日に条件解除に向けた製造販売承認申請を提出したが、当年度は、これまで同様、複数診療科で重症下肢虚血の治療を行っている専門医のいる病院のみでの使用となっており、製品売上高は前年同期比0.11億円増の0.23億円となっている。一方、アンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(以下ACRL)は、一般社団法人希少疾患の医療と研究を推進する会(以下CReARID)が展開する拡大新生児スクリーニングである「オプショナルスクリーニング」を受託しており、前年同期に比べ受託数が順調に増加し手数料収入として、同0.60億円増の1.15億円を計上した。また、Emendobio, Inc.(以下Emendo社)においてOMNI Platform技術に関する売上0.14億円を研究開発事業収益として計上している。事業費用は同26.0%減の121.20億円となった。売上原価は同42.2%増の1.33億円となった。コラテジェンの製品売上原価は同0.06億円減の0.19億円となった。コラテジェンの製品売上高は増加したが、前年同期に製品の評価損を計上していた。当期において製品評価損が減少したことにより、製品売上原価が減少している。ACRLにおけるオプショナルスクリーニングにかかる原価は、新規検査機器購入による減価償却額等の計上により同67.2%増の1.14億円となっている。研究開発費は同43.9%減の61.72億円となった。2020年度から開始した新型コロナウイルス感染症予防DNAワクチンの開発を中止し、研究用材料費が12.28億円、外注費が39.10億円減少している。同社グループのような研究開発型バイオベンチャー企業は先行投資が続くが、提携戦略などにより財務リスクの低減を図りながら、今後も研究開発投資を行っていく予定としている。販売費及び一般管理費は同9.9%増の58.14億円となった。為替の円安に伴い、Emendo社買収に伴うのれん償却額が前年同期より1.97億円増加している。Emendo社の事業再編に伴う弁護士等専門家及びコンサルタントへの報酬が増加し、支払手数料が前年同期より3.58億円増加した。
2024年12月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比246.4%増の5.30億円、営業損失が85.00億円、経常損失が85.00億円、親会社株主に帰属する当期純損失は87.00億円を見込んでいる。
《SI》
提供:フィスコ