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話題株ピックアップ【夕刊】(1):日テレHD、ネクソン、ABEJA

■日テレHD <9404>  2,151円  +400 円 (+22.8%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 日本テレビホールディングス<9404>が急騰。2000円の大台に乗せ、2017年1月以来、およそ7年ぶりの高値圏で推移している。1日の取引終了後、株主名簿外の外国人株主が配当を受け取れるように6月の定時株主総会において定款変更を提案すると発表した。あわせて、取得総数500万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.93%)、取得総額70億円を上限とする自社株買いを5月31日までの間、実施することも発表。これらを好感した買いが集まった。同社は放送法に基づき、外国人の議決権割合が20%以上となる場合に、一部の外国人株主に対し株主名簿への記載を拒否している。株主名簿への記載を拒否された「外国人持株調整株式」を定款変更により配当支払いの対象とし、外国人投資家が企業価値を適正に評価できるよう環境を整える。これまでは議決権計算に伴って配当を受け取れる外国人株式が減少するリスクがあり、自社株買いが困難な状況にあったが、今後は機動的な自己株式取得の実施も可能にしていく。同社は24年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算も開示した。売上高は前年同期比0.2%増の3062億1900万円、経常利益は同4.9%減の370億6000万円だった。

■ネクソン <3659>  2,806円  +500 円 (+21.7%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率3位
 ネクソン<3659>がストップ高の水準となる前営業日比500円高の2806円に買われた。中国国家新聞出版署が2日、海外オンラインゲームの32タイトルについて、2024年のライセンスを承認したと発表した。このなかに、ネクソンが手掛ける「アラド戦記(中国名:地下城与勇士)」の名が記載されており、収益貢献を期待した買いが集まったようだ。「三国志」シリーズのコーエーテクモホールディングス<3635>も大幅高となっている。

■田中化学研究所 <4080>  1,004円  +150 円 (+17.6%) ストップ高   本日終値
 田中化学研究所<4080>がストップ高。1日の取引終了後、24年3月期の単独業績予想について、営業利益を10億円から27億円(前期比52.2%増)へ、純利益を8億3000万円から20億円(同55.0%増)へ上方修正し、あわせて無配としていた期末一括配当予想を4円に引き上げると発表したことが好感された。第3四半期時点で販売数量が想定を下回ったことに加えて、主原料であるニッケル及びコバルトの国際相場が下落基調で推移したことから売上高は640億円から470億円(同18.5%減)へ下方修正したが、減価償却費及び労務費などのコストが想定よりも減少したことに加えて、相場関連損益を9億円収益計上したことも寄与する。なお、配当は13期ぶりの復配となる。同時に発表した第3四半期累計(23年4~12月)決算は、売上高359億2500万円(前年同期比19.5%減)、営業利益22億5400万円(同10.0%減)、純利益17億2800万円(同20.0%減)だった。

■ABEJA <5574>  4,740円  +685 円 (+16.9%) 一時ストップ高   本日終値
 ABEJA<5574>は一時ストップ高。この日、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発」に、同社が提案した「LLMの社会実装に向けた特化型モデルの元となる汎化的LLM」が採択されたと正式発表しており、これを好感した買いが入った。公募事業は、日本国内におけるポスト5G情報通信システムの開発・製造基盤強化を目指し、中核となる技術を開発する事業。今回の採択により、同社は日本語LLM(大規模言語モデル)及び周辺技術の研究開発を行うとともに、主にLLMの構築に必要な同社が支出する計算コストについて、NEDOから7億円規模の助成金の交付を受ける予定という。なお、計算コスト及び助成金は24年8月期業績予想には含まれておらず、業績へ与える影響は未定としている。

■フィード・ワン <2060>  1,019円  +120 円 (+13.4%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位
 フィード・ワン<2060>が後場に上げ幅を拡大した。2日午前11時半、24年3月期の連結業績と配当予想の修正を発表。最終利益の見通しを23億円から48億円(前期比4.7倍)に引き上げ、過去最高益の更新を見込む。年間配当予想についてはこれまでの計画から2円増額の27円(同2円増配)に見直しており、材料視されたようだ。飼料事業と食品事業の収益環境が大幅に改善し、影響を業績予想に反映した。一方、今期の売上高予想は3230億円から3130億円(同1.7%増)に引き下げた。

■オプティマスグループ <9268>  3,210円  +364 円 (+12.8%)  本日終値
 オプティマスグループ<9268>が大幅高で、昨年来高値を更新した。同社はきょうの朝方、オーストラリアの自動車総合物流企業であるオートケア・サービスの全株式を子会社が取得すると発表。株式取得日は4月1日を予定しており、これによる業容拡大などが期待されたようだ。これはオーストラリアでの事業領域の拡大と同市場に適したバリューチェーンの構築を図ることが主な目的。昨年買収した新車ディーラーのオートパクトや中古自動車の輸入・販売をはじめとした既存事業との連携により、オーストラリアモデルの構築を加速することが可能になるとしている。

■フタバ産業 <7241>  1,012円  +98 円 (+10.7%)  本日終値  東証プライム 上昇率8位
 フタバ産業<7241>がカイ気配スタートで上昇加速、一気に4ケタ大台乗せを果たした。トヨタを筆頭株主とする自動車部品メーカーで売上高の7割以上をトヨタ自動車<7203>向けで占めている。業績は絶好調で24年3月期営業利益は大幅過去最高更新が見込まれているが、合理化による利益率改善が進み足もとでは会社側の想定を更に上回って推移しているもようだ。そうしたなか、1日取引終了後に今期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の150億円から190億円(前期比2.5倍)に大幅増額した。これを受けて投資資金が集中する格好となった。

■ソシオネクスト <6526>  3,713円  +288 円 (+8.4%)  本日終値
 ソシオネクスト<6526>が異色の上昇トレンドを形成、一時10%を超える急騰で3700円台後半に駆け上がった。売買代金も増勢で全市場を通じてレーザーテック<6920>に次ぐ第2位となっている。半導体設計大手で、次世代半導体の本命と目されるSoC(システム・オン・チップ)をファブレス形態で供給する。足もとの業績も絶好調で23年4~12月期は営業利益段階で前年同期比67%増の279億4400万円と大幅な伸びを達成、通期見通しも従来計画の290億円から315億円(前期比45%増)に増額修正しマーケットの耳目を集めた。世界的な生成AI市場の急拡大で3ナノ品など先端半導体に対するニーズが高まっており、同社の成長性が改めてクローズアップされている。また、指標面でROEが20%弱と高いことも、同指標を重視する海外投資家の実需買い攻勢につながっているもようだ。一方、海外ヘッジファンドによる貸株調達による空売りが溜まっており、「強制的なショートカバーが足もとで株価上昇ピッチを強める背景となっている」(ネット証券マーケットアナリスト)という指摘もある。

■BIPROGY <8056>  4,594円  +336 円 (+7.9%)  本日終値
 BIPROGY<8056>が急反発し昨年来高値を更新。1日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を3500億円から3680億円(前期比8.3%増)へ、営業利益を325億円から340億円(同14.6%増)へ、純利益を220億円から235億円(同16.3%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を45円から50円へ引き上げたことが好感された。国内の情報サービス市場で、デジタルトランスフォーメーション(DX)領域を中心に企業の強い投資意欲が継続していることに加えて、足もとの受注環境を考慮したという。なお、年間配当予想は95円(前期80円)になる予定だ。同時に発表した第3四半期累計(23年4~12月)決算は、売上高2588億7500万円(前年同期比12.6%増)、営業利益241億3400万円(同22.9%増)、純利益181億5600万円(同33.8%増)だった。

■ゼリア新薬工業 <4559>  2,196円  +154 円 (+7.5%)  本日終値
 ゼリア新薬工業<4559>は大幅高。1日の取引終了後に23年4~12月期連結決算を発表し、売上高は前年同期比12.0%増の579億1900万円、純利益は同40.8%増の84億2300万円だった。通期の純利益計画(70億円)を大きく上回って着地しており、これを好感した買いが集まっている。医療用医薬品事業が主に欧州向けで伸長。コンシューマーヘルスケア事業では主力の「ヘパリーゼ群」の売り上げが拡大したほか、「コンドロイチン群」も好調だった。前期に為替差損を計上した反動も寄与した。なお、通期見通しは据え置いた。

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