貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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9104 商船三井

東証P
5,430円
前日比
-9
-0.17%
PTS
5,420円
22:21 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
5.6 0.74 5.52 1.89
時価総額 19,687億円
比較される銘柄
郵船, 
川崎汽, 
飯野海

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【杉村富生の短期相場観測】 ─国際マネーの運用者はしたたかさが信条!


「国際マネーの運用者はしたたかさが信条!」

●1月第2~3週に1兆8400億円買い越す

 国際マネーの運用者はしたたかである。彼らには日本的な義理、人情の世界は通用しない。大手証券の解説によると、年初以降の外国人の猛攻のきっかけは「能登半島地震にあった」という。そんなバカな? 通常の感覚ではあの悲惨な状況を見ると、投資家として萎縮するのが普通だろう。

 しかし、彼らは違った。日銀の政策転換は先送りされる。つれて、為替は円安に振れる。そう判断したらしい。実際、正月早々の1月第1週こそ、海外投資家は1137億円の売り越し(現物と先物の合計)だったものの、第2週は1兆4448億円、第3週は3980億円の猛烈な買い越しである。

 もちろん、外国人が強気になっている背景には日本再興戦略の効果の顕在化に加え、経営者の意識の変化、企業の稼ぐ力、官民挙げてのPBR1倍奪回作戦、新NISA(少額投資非課税制度)の導入、製造業の国内回帰、半導体関連の新工場の建設ラッシュ、インバウンドの復調などがあろう。

 さらに、新東西冷戦構造、国家主義の台頭(フレンド・ショアリング→半導体、電気自動車用電池などのサプライチェーンを西側陣営だけで完結させる)が日本に“利”をもたらしている。バッシング、パッシング、ナッシングの引き金になった1989~1990年の東西冷戦構造の終焉と逆のパターンとの見方ができる。

 なにしろ、「失われた30年」の間に日本および国民はみんな貧乏になってしまった。アメリカの家計資産(2京3000兆円)は日本の7.4倍だし、アメリカ市場の時価総額(7560兆円)は東京市場の8.4倍である。いや~、30年におよぶ政治の迷走、金融政策のミス(デフレ、円高を放置)は取り返しのつかない状況を招いている。

 なお、 マグニフィセント・セブン(アメリカ市場の時価総額上位7社)の時価総額は1862兆円に達する。東京市場(プライム市場には1658社が上場)の2倍のスケールだ。アップル<AAPL>は447兆円、マイクロソフト<MSFT>は439兆円とこの2社だけで東京市場に匹敵する。

●日本企業の時価総額切り上げの動きは継続!

 いやはや、悲しすぎる話である。ちなみに、7人のサムライ(東京市場の時価総額上位7社)の時価総額は142兆円にとどまっている。マグニフィセント・セブンの13分の1にすぎない。もちろん、懸念は無用だ。日本企業の時価総額はかさ上げが始まった、と主張している。トヨタ自動車 <7203> [東証P]はテスラ<TSLA>を追うだろう。

 190円配当の商船三井 <9104> [東証P]の時価総額は1.9兆円、200円配当の川崎汽船 <9107> [東証P]の時価総額は1.7兆円にとどまっている。パナソニック ホールディングス <6752> [東証P]は3.4兆円、野村ホールディングス <8604> [東証P]は2.4兆円だ。商船三井、パナソニック、野村のPBRは1倍を割り込んでいる。

 海外ファンドの多くが日本株の組み入れシェアをアンダーウェイト→中立に引き上げている。中国市場に向かっていた資金を日本市場に振り向けている、という事情があろう。これまた、新東西冷戦構造(アメリカは公的年金などの中国株での運用を禁止)のたまものといえる。

 個人投資家好みの小物ではココナラ <4176> [東証G]、スマサポ <9342> [東証G]、G-FACTORY <3474> [東証G]に注目している。ココナラは2021年3月の上場直後に、2899円(3月22日)の高値をつけた。しかし、その後は長期低迷に入った。昨年8月17日には282円の安値をつけている。

 この間、売上高は5倍になった。2019年8月期が11億3800万円、2024年8月期は58億4800万円(営業利益は1000万円)の予想だ。しかし、利益はほとんど出なかった。売上高の成長を重視した結果だろう。ただ、今後は利益面に配慮した経営に転換する(第1四半期に営業利益9700万円を計上)という。

2024年1月26日 記

株探ニュース

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