貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6367 ダイキン工業

東証P
18,400円
前日比
+230
+1.27%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
20.2 2.01 1.74 14.60
時価総額 53,933億円
比較される銘柄
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クボタ

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橋本総業HD Research Memo(5):住宅設備機器の専門商社として幅広く品揃え


■事業概要

1. 取扱商品
橋本総業ホールディングス<7570>の取扱商品は、管類、継手類、バルブ類、化成品類、工具関連機材などの管材類をはじめ、便器・手洗器、洗面化粧台などの衛生陶器・金具類、給湯関連や厨房関連などの住宅設備機器類、各種エアコンや各種ポンプなどの空調機器・ポンプであり、水回りのパイプやガス関連の商品が多い。主要な仕入先メーカーは住宅建材の積水化学工業や衛生陶器のTOTO、建材・電材のパナソニック ホールディングス<6752>、バルブのキッツ<6498>、エアコンのダイキン工業<6367>など、業界や日本を代表する大手有力メーカーが多い。なかでもTOTOからの仕入高は全仕入の約30%を占めており、メーカーにとっても同社は流通の要となっている。登録アイテム数は専門商材を中心に約250万点あり、主要倉庫で売れ筋を中心に常時約1万点以上の在庫を有するほか、各拠点でも地域密着商材の在庫を約1,000点取り揃え、一部は即日配送も行っている。なお、2024年3月期第2四半期のセグメント別売上高構成比は、管材類29.6%、衛生陶器・金具類29.5%、住宅設備機器類16.9%、空調機器・ポンプ23.1%、その他1.0%となっている。


管材業界5兆円市場の深掘りに加え、建材・電材も取り込む
2. 業界環境
同社は建築資材業界、なかでも管材業界に属する。建設業界の市場規模は、新築・リフォームを合わせ70.5兆円、GDPの約10%を占めると言われ、管材業界の市場規模についても管工機材・住設機器・空調機器合わせて5兆円と大きい。そうした管材業界のなかで、同社は1次卸として、大手有力メーカーと全国の2次卸や工事店・工務店を結ぶ流通の要となっている。国内ではインフレや少子高齢化といった課題があるものの、マンション販売やリフォームが堅調なほか、共働き世帯の増加に伴う保育施設や高齢化に伴う高齢者施設の増加、老朽化が課題となっている公共施設のリニューアルなど、需要は拡大している。このため、中長期的な市場環境は収益性及び成長性において堅実な市場と言える。このような業界環境のなかで、同社は管材から環境・設備機材、さらには取引先からの要望が多い建材や電材、土木、そして海外向けなどに事業領域を拡大している。


強固なバリューチェーンが強み
3. 同社の強み
近年、MRO※の販売で、MonotaRO<3064>やアスクル<2678>、Amazon.com<AMZN>などインターネット通販業態の成長が目覚しい。建築資材全般を幅広く品揃えしていることから既存流通への侵食が懸念されたが、既存流通への影響は「一人親方」と呼ばれる個人経営の職人など一部に留まっている。これは、インターネット通販業態が専門商材というよりMROを中心に究極のセルフ販売をしているのに対し、専門商社はプロである顧客に対し、幅広い品揃えや在庫、豊富な情報と的確な提案、効率的な発注から配送を提供していることが理由であると考えられる。特に同社は、専門商材を深掘りした品揃えや充実したサービスなどの特長が支持され、ほとんど影響を受けていないようだ。また、在庫の持ち方やコントロール自体も同社の強みと言える。競争が起こりにくい低単価品やトレンド商品などの在庫を積み増すなど在庫リスクを取ることで収益性の向上につなげている。一方、原材料価格の高騰など在庫リスクが取りづらい状況になった場合には、コロナ禍の経験を基に仕入価格や販売価格をコントロールすることで収益性の改善を図っている。

※MRO(Maintenance, Repair and Operations):間接資材。生産に直結する原材料・資材・部品など専門性の高い直接材以外を指し、建築資材業界以外でも広く使用される工具や消耗品などの経費購買品のこと。


同社は、取引先向けに商品情報や地域~マクロ情報、人材の研修・教育などのサービスを提供することで業界自体を育成しているほか、設計段階から見積もりに参加するなど業界に深く関わってきた。この結果、同社の流通は高付加価値化され、仕入先との取り組みもより深いものとなり、メーカー、2次卸、ゼネコン、工事店・工務店と、川上から川下までが一体となった強固なバリューチェーンを構築した。これを同社は、仕入先、販売店・工事店及び同社による「四位一体」と呼んでいるが、インターネット通販やホームセンターでは持ち得ない強みとなっている。このほかにも、主要倉庫や各拠点で売れ筋を在庫していること、経営相談や後継者育成などのサポート、IT技術の活用などが同社の強みと言える。特に、IT技術については積極的に活用しており、24時間365日注文や在庫検索ができる会員専用Webサイト「OPS(Online Partner System)」を運営しているほか、ネットカタログ「e設備NET」では建築現場で必要となるカタログや図面などをWeb上から取り出すことができる。販売店からのWeb受注は売上の2割を超え、口座数も毎月伸びているが、販売店の運営効率化を目的に、Web受注の比率をさらに引き上げる方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SI》

 提供:フィスコ

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