貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
株価15分ディレイ → リアルタイムに変更

4543 テルモ

東証P
3,073.0円
前日比
+35.0
+1.15%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
36.5 3.46 0.85 1.42
時価総額 45,809億円
比較される銘柄
オリンパス, 
朝日インテク, 
日本光電

銘柄ニュース

戻る
 

【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 長期投資に絶好の安定上昇イチオシ銘柄とは?


「長期投資に絶好の安定上昇イチオシ銘柄とは?」

●意外な株高要因

 嬉しい日々がまだ続いている。[[stock/0000/chart|日経平均株価]は1月17日には3万6239円まで上昇して、1989年末の史上最高値3万8957円に2718円まで迫っており、今月中にも最高値を突破しそうな勢いを見せた。もちろん、そんなに簡単に突破することはないし、年前半までにと予想している私としては、早すぎる突破は嬉しさとともに困惑要因ともなる。

 それにしても、こんなに強いのは想定外だ。何しろ上海市場では、日経平均株価連動型の上場投資信託(ETF)買いが盛り上がり過ぎて、一時売買が停止になったほどだ。中国の投資家たちの目にも日本株は輝いて見えているようなのだ。当然、国内投資家たちも日本株を買いたがっているに違いない。

 こう思うのが自然だが、1月第2週の投資部門別売買動向(現物)を見て、私はひっくり返るほど驚いた。外国人投資が9557億円の買い越しであるのに対し、個人投資家が1兆695億円の売り越しだったのだ。1月第2週といえば、まだ24年相場は始まったばかり。個人投資家が外国人投資家たちの買いに売りをぶつけた形になっており、「うわーっ、こんなに売っているのか」と思わず口をついて出た。

 その一方で、新NISA(少額投資非課税制度)のつみたて投資枠では米国株を対象とした投資信託の買いが一斉に入り、日本から大量の資金が流出。それが思いがけない株高の要因になっているのだから、これまた困惑させられる。

 今年、ドル・円は円高で推移すると私は予想している。しかし、円相場はまったく上昇しないどころか下げ続けており、足もとは1ドル=148円前後に下げている。それによりトヨタ自動車 <7203> [東証P]をはじめソニーグループ <6758> [東証P]、日立製作所 <6501> [東証P]などいわゆる輸出関連株、それも主力が軒並み高となっているのはご承知の通りだ。

 日本からの資金流出がドル円相場を動かし、半導体関連を含む日本の主力製造業株の押し上げ要因になる。面白い構図になっているわけで、それらへの投資も考えないでもないのだが、今回は新たな試みをさせていただきたい。


●長期投資に絶好の安定上昇株は限られる

 ここではいつものように注目銘柄を5~7銘柄取り上げるのではなく、1銘柄に絞らせてもらいたい。というのは、新NISAが始まり、長期投資に向く銘柄はないかとよく問われるため、改めて期待に応えてくれそうな銘柄を選別したところ、安定的な上がり方をしている銘柄は非常に限られることが明らかになった。

それでも、あくまでも私の選定規準ではあるが10銘柄以上はあったので、その中から1銘柄をセレクトして紹介したい。

 それはテルモ <4543> [東証P]になる。現在の東京市場はアベノミクスのスタートとともに上昇したため、起点を2013年1月とすると、テルモは872円でのスタートになる。以来約11年、株価は上昇を続け、19日は5055円で引けた。配当を考慮せずに値上がり率だけを見ると、約5.8倍になる。

 この倍率は上場企業の中で最高というわけではない。他にもっと上昇した銘柄もあるが、安定性を重視した場合、テルモになる。なお、テルモは21年9月には5500円の高値をつけたこともあり、それを考慮すれば6.3倍に化けたことになる。

 この銘柄は11年ほどでおよそ6倍に化けたということになるが、もちろん11年かけてたった6倍かという見方があってもおかしくない。しかし、お断りしておきたいが、5倍以上となった銘柄はあくまでも一握りなのだ。この点では非常によく上がった銘柄ということになる。

 では、なぜ上がったのか。なんといっても評価すべきは、収益の安定性だ。21年3月期はコロナ禍により営業利益が前の期の1106億円から983億円に落ち込んだものの、翌22年3月期は1159億円と20年3月期の1106億円を上回った。その後も収益は伸び、今期(24年3月期)は1325億円が予想されている。

 肝心の事業でカテーテルなど血管内治療デバイスをはじめ、注射器など各種医療機器の需要が国内だけでなく、米国・中国で拡大を続けているからだ。

 この状況は急減速するとは考えられないことに加え、今後は米国で注力中の血漿採取システムの採用も拡大が見込めることから、すぐではないものの近い将来に株価の支援材料となるだろう。

 だからといって、株価は見ている前でどんどん上がっていくわけではない。アベノミクス以降、11年間の値動きから推測して、テルモ株はロングラン投資に向くとの判断から取り上げているのであり、明日早速上がるということではない。この点はお断りしておきたい。

2024年1月19日 記

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均