サークレイス Research Memo(1):中期経営計画「ビジョン2030」発表、2030年売上高100億円を目標に
■要約
サークレイス<5029>は本質的なDX(デジタルトランスフォーメーション)を提案し実現する企業で、Salesforceを軸に据えたDXに関するコンサルティング、ICTを活用した業務改善に関するコンサルティング、SaaS※製品の開発・販売等を展開している。デジタル技術を活用したビジネス設計、クラウドによるシステム開発を行う「コンサルティングサービス」事業と、カスタマーサクセス、エデュケーション、DXの3サービスを提供する「プラットフォームサービス」事業の両域で、システム構築から保守・運用、教育(エデュケーション)、SaaS製品の開発・販売に至るまでの包括したサービス展開を行う。
※「Software as a Service」の略。必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェア、もしくはその提供形態のこと。
1. 2024年3月期第2四半期の業績概要
2024年3月期第2四半期の業績は、売上高1,352百万円(前年同期比6.0%増)、営業損失28百万円(前年同期は37百万円の利益)、経常損失28百万円(前年同期は32百万円の利益)、四半期純損失60百万円(前年同期は19百万円の利益)となった。「コンサルティングサービス」「プラットフォームサービス」はともに増収だった。一方で販管費及び一般管理費が大幅に増加したことに加え、新規ビジネス立ち上げのための投資拡大により、利益面はマイナスの着地となった。
2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績予想について、同社は2023年11月に修正予想を公表した。売上高2,850百万円(前期比12.8%増)、営業損失6百万円(前期は87百万円の利益)、経常損失7百万円(前期は82百万円の利益)、当期純損失1百万円(前期は11百万円の利益)となる見通しだ。2023年3月の期初予想からは、売上高は416百万円(12.7%)減、営業損益は187百万円減、経常損益は187百万円減、当期純損益は153百万円減の下方修正をした。2023年3月期下期に生じた課題の影響が通期売上高の進捗に影響した。加えて、カスタマーサクセス担当者の一部をコンサルティングサービス人員に異動した結果、修正予想後の売上高計画においても組織変更に伴った数値に修正した。
3. 成長戦略
2023年5月に、同社は中期経営計画として「コアバリュー」「パーパス」「ビジョン2030」を発表した。中期経営目標として、2030年の東京証券取引所(以下、東証)プライム市場への上場を見据え、海外からの人材やAIなどの最新技術の活用、海外ビジネスの展開等により、2030年に売上高100億円を目標とする。国内のDX市場の機運を捉え、2026年に10%、2030年に20%の営業利益率を達成し、東証プライム市場への上場基準を十分に満たす利益を確保する。
■Key Points
・2024年3月期第2四半期の業績は「コンサルティングサービス」「プラットフォームサービス」ともに増収
・2024年3月期の業績見通しは増収ながらも、利益面は前期下期に生じた課題の影響でマイナスの着地
・2030年3月期の中期経営目標は、東証プライム市場への上場を見据え売上高100億円
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
《HH》
提供:フィスコ