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2354 YE DIGITAL

東証S
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待ったなしの「校務DX」、政府デジタル化推進で急先鋒に立つ有望株 <株探トップ特集>


―教育現場が抱える新たな課題、校務支援を手掛ける企業の活躍余地拡大へ―

 文部科学省が昨年12月27日に公表した「GIGAスクール構想の下での校務DX化チェックリスト」に基づく自己点検結果の報告で、学校業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいないことが明らかになった。教職員は学習指導や生徒指導に加えて、日々の児童生徒の情報管理、保護者対応、学校外部との連絡調整、学校内での事務や会議など、多岐にわたる業務を担っている。校務のDX化は急務で、関連企業のビジネスチャンスが更に広がりそうだ。

●9割超がFAXを使用

 文科省が昨年3月に開いた専門家会議では、校務情報化の課題として「校務処理の多くが職員室に限定され、働き方に選択肢が少ない」「紙ベースの業務が主流となっている」「帳票類の標準化が道半ば」「学習系データと校務系データとの連携が困難」などが挙げられた。

 12月の自己点検結果では紙での作業が根強く残っていることが示され、保護者や外部とのやり取りで押印・署名が必要な書類が「ある」と答えた割合は87.2%にのぼり、業務にFAXを使用しているとの回答は95.9%を占めている。押印やFAXなどの慣行はクラウド環境を活用した校務DXを阻害する要因の一つとなっており、こうした状況を変えるにはクラウドツールが活用できる環境の整備と、教職員ひとりひとりへのメールアドレスの付与が必要不可欠だ。

 同省は今後3年程度を集中取り組み期間と位置づけ、手軽な改善方法を具体的に示した資料の提供、オンライン・オンデマンドでの学習機会の提供、全額国費によるアドバイザー派遣などを行う構え。学校現場に寄り添った支援を一段と拡充するとともに、GIGA環境(児童生徒1人1台端末、教員1人1台端末、クラウドツール)や汎用クラウドツールの更なる活用を促しており、校務DXに関連する銘柄の動向から目が離せない。

●支援サービスの需要増大へ

 サイバーリンクス <3683> [東証S]の小中学校向け校務支援サービス「Clarinet(クラリネット)」は、学籍・指導情報を一元管理し、成績処理業務など校務の標準化・簡便化を実現。情報共有や効率化で「校務の負担軽減」と、「児童生徒に先生全員で向き合える環境づくり」をサポートする。また、学校向けに特化したメール連絡システム「ぐるりんメール」では、簡単で迅速に保護者への一斉メールを送信することができるという。

 テクマトリックス <3762> [東証P]のスクール・コミュニケーション・プラットフォーム+校務支援システム「ツムギノ」は、文科省の「次世代の校務デジタル化推進実証事業」に採択されている。このソリューションは、校内外にわたる充実したコミュニケーション機能に加え、学びの蓄積、教職員の校務支援機能までを一元化しており、同実証事業を通じて校務支援システムのクラウド化による校務DXを実現する構えだ。

 システム ディ <3804> [東証S]は、月額定額料金で利用できる高機能な総合校務支援サービス「School Engine(スクールエンジン)」を提供している。多様な校務処理に適した機能のほか、学校徴収金管理、教育委員会や全学校での情報共有と効果的なコミュニケーションを実現する学校用グループウェアで構成されており、岩手県の県内全自治体での標準校務支援システムとして採択されている。

 内田洋行 <8057> [東証P]の統合型校務支援システム「デジタル校務」は、小学校から中学校まで学籍・出欠・成績・保健などさまざまな情報を一人ずつ体系的に蓄積する「個人カルテ」となっており、9年間の継続した成長を見守り、教職員の負担軽減を実現。直感的でわかりやすい操作性に加え、成績処理中の誤入力防止や登録データを保護する仕組みがあるという。

●YEデジタルなどにも注目

 このほかでは、情報通信技術(ICT)環境の導入・運用・管理を支援する学校ネットワークアクセス管理装置「NetSHAKER W-NAC」を手掛けているYE DIGITAL <2354> [東証S]、無線通信可視化・安定化ソリューション「Tbridge(ティーブリッジ)」を扱うチエル <3933> [東証S]、教育事業者向け業務管理プラットフォームを提供するPOPER <5134> [東証G]、ネット接続の利便性を高める無線LANアクセスポイントなどを展開する古野電気 <6814> [東証P]にも注目したい。

 また、直近ではパシフィックネット <3021> [東証S]が15日、「排出管理BPOサービス」を教育機関向けに拡大提供すると発表した。このサービスは生徒や家族の個人情報流出防止が必須で、IT人材不足、予算対策など自治体や教育機関に特有の課題を解決するもので、文科省の「GIGAスクール」にも対応している。

 アライドテレシスホールディングス <6835> [東証S]傘下のアライドテレシスは昨年12月から、教育機関を対象にネットワーク環境の分析・調査を実施する「ネットワークアセスメントサービス」を提供している。クラウドベースでのデジタル教材の充実化や次世代型校務システムの導入を進めるためには、現在のネットワーク状態を把握する必要があり、このサービスでは分析から問題の原因特定、結果レポートの報告と対策の提案までを一貫して実施するという。

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