貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8035 東京エレクトロン

東証P
23,135円
前日比
+885
+3.98%
PTS
23,137円
23:58 11/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
20.3 5.98 2.47 17.40
時価総額 109,112億円
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明日の株式相場に向けて=「低PBRの自動車部品株」に時機到来

 きょう(11日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比608円高の3万5049円と大幅高で4日続伸。週初の時点で全体相場に強気を唱える市場関係者は少なくなかったものの、とりあえず今週については強含みもみ合い程度というようなニュアンスが多かったように思われる。前週末5日に発表された12月の米雇用統計で労働市場の強さが確認され、早期利下げに対する行き過ぎた期待が剥落、こうなると日本時間今晩に予定される12月の米消費者物価指数(CPI)にもおのずと耳目が集まり、見切り発車でロングポジションを積み上げるのはそう簡単な話ではない。加えて東京市場では週末にオプションSQ算出を控えるSQ週であることから、先物主導で掻き回されやすく警戒ムードも漂う。そういう環境下にあって、まさか日経平均が因縁場となっていたバブル崩壊後高値をクリアし3万4000円台に歩を進め、そのまま3万5000円台まで猛進するような展開を予想するのは正直無理な話ではある。

 しかし、全体相場は糸の切れた凧のような状態となった。あすのオプションSQ算出にからむ投機筋の指数売買によってショートカバーが誘発された面もある。ただ、これまでであればショート筋の全面敗北、総撤退による踏み上げ相場という形容がなされるところだが、今回は少し様相が異なる。「弱気筋が退散し売り仕掛け的な動きは鳴りを潜めている。したがって踏まされる空売り玉自体が極めて少ない」(ネット証券マーケットアナリスト)という。つまり、実需の買いで株価が押し上げられている部分が大きいということになる。その買い主体は海外マネーであることに相違ないが、「足もとの日本株買いは、新NISAの潜在的買い需要を計算に入れたもの」(同)と指摘する。

 同ネット証券の店内では新NISAの口座数が爆発的な伸びを示した。昨年4月1日のNISA口座数との比較で今年の大発会時点で何と19倍超に膨らんだという。この個人投資家の待機資金に目を光らせたのが海外投資家だ。新NISAの現状データでは、「『つみたて』の方はオルカン(全世界株式)や米株が人気だが、『成長投資枠』の方は国内株の高配当銘柄に集中している」(同)状況が見えてきた。個人投資家のニューマネーは国内株選好でバリュー系の高配当・低PBR株に食指を動かしている。それに先回りしてというと聞こえは悪いが、その流れを踏まえて海外マネーが東京市場に資金を投下している。

 これに先立って海外投資家が日本株を選好する背景には、日銀によるマイナス金利解除が当分先送りされそうなこと、そしてもう一つは東証の企業に対する低PBR改善要請があるといわれる。実際にPBR1倍割れ企業は、1年前と比較して経営努力が奏功してかなりその数を減らしているのだが、今年以降もその傾向は一段と強まることが予想される。東証は週明け15日に要請に基づいて取り組みを開示している企業の一覧表を公表することを決定しており、これは毎月更新される方向にあるようだ。

 こうなると再びバリュー株への投資マネー還流が意識されやすくなる。きょうは東京エレクトロン<8035>やディスコ<6146>など主力株をはじめ半導体関連は引き続き買われたが、一方でトヨタ自動車<7203>や三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>など新NISA仕様のバリュー株への買いに厚みが加わっており、新たな潮流を示唆している。

 低PBR株の上昇機運再燃と、目先マドを開けて上値指向を鮮明としたトヨタの動きをヒントに、ここは自動車部品株に視線を向けてみたい。配当利回りの高さもポイントとなる。トヨタ系メーカーでは電動車制御システム分野に傾注しトヨタのEV戦略と併走する愛三工業<7283>や自動車内装に使うレザーで高い商品競争力を誇る共和レザー<3553>、売上高の7割以上をトヨタ向けで占めるフタバ産業<7241>などをマーク。このほか、車載機器用樹脂製品を手掛けるムトー精工<7927>やEV用電動ポンプに強みを持ちインド関連銘柄でもあるミクニ<7247>が面白い存在となる。

 あすのスケジュールでは、12月の貸出・預金動向、11月の国際収支が朝方取引開始前に開示。また、この日は株価指数オプション1月物の特別清算指数(オプションSQ)算出日となる。このほか、30年物国債の入札、12月の景気ウォッチャー調査など。海外では12月の中国貿易統計、12月の中国消費者物価指数(CPI)、12月の中国卸売物価指数(PPI)、12月の米卸売物価指数(PPI)など。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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