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3392 デリカフHD

東証S
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デリカフHD Research Memo(5):市況高騰分の売価改善が進み2024年3月期業績は期初計画を達成する見込み


■今後の見通し

1. 2024年3月期の業績見通し
デリカフーズホールディングス<3392>の2024年3月期の連結業績は、売上高で前期比8.5%増の52,000百万円、営業利益で同80.8%増の1,150百万円、経常利益で同56.0%増の1,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同6.8%増の750百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率は売上高で48.7%、経常利益で31.6%と利益の進捗率が低いものの、第2四半期の仕入率悪化分に対して売価改善が11月から進んでいるほか、売上高も外食業界向けを中心に好調が続いており、今後天候悪化等により市況が再び高騰するなど想定外の事象が発生しなければ、計画の達成は可能と見られる。実際、10月は市況高騰の影響が一部残ったものの、11月の経常利益は2023年4月の152百万円を上回る水準まで急回復したもようだ。

日本フードサービス協会が毎月発表している外食業界の月次売上動向によると、2023年10月は前年同月比で8.8%増となり、2021年12月以降23カ月連続でプラス成長が続いた。業態別でもすべての業態でプラス成長が続いている。コロナ禍が収束に向かい人流が回復してきたことや、物価上昇に伴い値上げが浸透していることが要因と見られる。今後は前年の水準が高いため伸び率が鈍化する可能性はあるが、下期も堅調に推移する見通しだ。

こうしたなか、同社は新たな取り組みとして冷凍野菜や冷凍加工商品の製造販売を開始した。冷凍野菜については事業化に向けて前期から準備に着手していたが(2022年3月に中京FSセンター内に製造拠点を構築)、第一弾として国産カットブロッコリー(有機JAS認証取得済み)の販売を開始した。国内市場ではエクアドル産が大半を占めるなか、味と食感を維持しつつ利便性の高い冷凍有機野菜として、健康志向の高い商品メニューを開発する顧客をターゲットに販売拡大を目指す。

※農林水産大臣が定めた品質基準や表示基準に合格した農産物を有機野菜として認証する制度。有機JAS規格は、生産方法に関する規格に 該当し、有機農産物、有機加工食品、有機飼料及び有機畜産物の4品目4規格が定められている。有機栽培で農業生産を行っている場合でも、栽培時に「有機JAS規格で認められていない肥料・農薬などの資材」を使用していると、認証を受けられない。


また、冷凍加工商品の第一弾として冷凍焼いも「紅はるか」の販売を10月から開始した。遠赤外線で長時間かけて焼き上げたのちにじっくりと時間をかけて糖度を上げて冷凍させた商品で、すでに大手回転寿司チェーンのデザートに採用されたほか、大手スーパーへの導入、並びにタイなどへの輸出も開始している。東南アジアでは焼き芋がブームとなっているようで、ヒット商品となる可能性があるだけに今後の動向が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SO》

 提供:フィスコ

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