nms Research Memo(4):引き続き有利子負債の早期削減と自己資本比率の向上が重要課題
■nmsホールディングス<2162>の業績動向
3. 財務状況
2023年9月末における資産合計は前期末比1,113百万円減の37,818百万円となった。流動資産は28,274百万円となり、1,746百万円減少した。これは主に現金及び預金が1,232百万円増加した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が1,813百万円、棚卸資産(製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品の合計額)が1,380百万円減少したことによる。固定資産は9,523百万円となり、同638百万円増加した。有形固定資産が558百万円、投資その他の資産が81百万円増加した一方で、無形固定資産は大きな増減はなかった。
負債合計は前期末比1,524百万円減の34,892百万円となった。流動負債は26,456百万円となり、2,062百万円減少した。これは主に支払手形及び買掛金が1,900百万円、未払金が295百万円、短期借入金が281百万円減少したことなどによる。固定負債は8,436百万円となり、538百万円増加した。これは主に長期借入金が321百万円増加したことによる。純資産合計は前期末比410百万円増の2,925百万円となった。2023年9月末時点での自己資本比率は7.7%となり、2023年3月末時点の6.4%から1.3ポイントの改善となった。また、有利子負債は短期借入金が14,951百万円、社債が2,000百万円、長期借入金が5,053百万円であり、合計が22,004百万円となる。上期の支払利息は345百万円、社債発行費償却は6百万円が計上されており、同社の利益水準に対して金融費用の支払い負担は大きく、有利子負債の早期削減と自己資本比率の向上は引き続き同社の重要課題である。
同社は財務基盤の強化に向けて、部材を戦略的に確保しつつ、過剰在庫を圧縮すること、仕入れから回収までのサイクルを短くすることなどに取り組んでいる。加えて、投資の精査や各種KPIを設定し、キャッシュ・フローの観点から財務健全性を高めるために施策を講じている。また外部環境の変化が早いため、部材調達ソースの多様化や為替エクスポージャー圧縮への対応なども実行している。事業面においては、ニーズが堅調なことに加えて基盤強化策の着実な実行により、収益性が高まっている。利益が積み上がるにつれ、財務健全性も高まっていくだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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提供:フィスコ