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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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4687 TDCソフト

東証P
1,302円
前日比
+36
+2.84%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.8 3.25 1.84 20.49
時価総額 654億円
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TDCソフト Research Memo(5):2024年3月期第2四半期は増収増益で期初計画を上回る進捗(1)


■業績動向

1. 情報サービス産業を取り巻く環境
情報サービス産業を取り巻く環境は、テレワーク環境の整備・強化に向けた需要が一巡した。一方で、クラウドコンピューティング、AI、IoT、RPA、ブロックチェーン、マイクロサービス等の技術革新によるDXの潮流が、企業の競争力強化に向けた戦略的な投資需要を高めた。特にTDCソフト<4687>が強みを持つ金融業界においては、老朽化した基幹システムがビジネス環境の激しい変化に対応できなくなってきており、現行の情報資産を生かしながら競争力強化に向けた次世代システムに刷新する、モダナイゼーションが活発化している。

2. 2024年3月期第2四半期の業績
2024年3月期第2四半期業績は、売上高18,856百万円(前年同期比12.3%増)、営業利益1,858百万円(同0.4%増)、経常利益1,930百万円(同0.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,310百万円(同0.7%増)となった。期初の第2四半期予想に対しても、売上高は6.4%増、営業利益は17.7%増、経常利益は17.0%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は19.1%増で着地した。DXを背景とした企業の戦略的なIT投資需要が活発になるなかで、パートナーとのアライアンス拡大により需要増に応え、すべての事業分野が好調に推移した。また、高付加価値SIサービスも順調に拡大した。利益面では、増収に伴い売上総利益が前年同期比10.0%増となったが、将来の事業拡大に向けた人材及び技術への投資、並びに「Smart Work構想」への投資が、前年同期より約213百万円増額した。そのため販管費が同19.7%増加し、営業利益は微増となっている。人材投資では、新卒採用者数を前期の120名から160名に拡大し、早期戦力化へ向けた積極的な教育投資を、技術投資においては、引き続き次世代型SI事業拡大に向けた要素技術への投資を、それぞれ進めた。「Smart Work構想」への投資においては、社員のエンゲージメント向上や採用力強化、並びに事業拡大に対応したワークプレイス戦略として、九段下への本社移転とともに、旧本社(新宿文化クイントビル)を「TechnoGrowth Center Shinjuku」として開発拠点化にするための投資を進めた。

重点戦略分野としてアジャイル、セキュリティなどの最新の要素技術への投資を積極的に進め、高付加価値な次世代型SI事業を拡大した。また、同事業を軸として、その周辺業務であるシステムのマネージドサービスやアウトソーシングサービスといった「SI事業コモディティ領域」のほか、SAFe(R)などを用いた教育サービスなど「コンサルティング事業」、他社ライセンス製品やそのサービスを提供する「サービス販売事業」などを効率良く取り込み、事業領域と売上規模を拡大した。

事業分野別では、ITコンサルティング&サービス分野が前年同期比27.1%増と高い伸びとなり、事業分野別の構成比も前年同期の15.1%から17.1%に拡大した。そのほか、金融ITソリューション分野、公共法人ITソリューション分野、プラットフォームソリューション分野も堅調な伸びとなり、基本的に各分野とも好調だったと言える。この要因としては、良好な事業環境のなかで豊富な仕事をこなすための人材を順調に投入できたことが挙げられる。人材投資を積極的に進めても、即戦力につなげるのは難しいと考えられるなか、パートナーとのアライアンスを強化したことが奏功した。この強化により、得意・不得意分野を補完し合う横のつながりを強め、下請けといった位置付けからパートナーとしての立場で、新たなクライアントのニーズを取り込むことに成功した。情報サービス業界において当面は人的資源の確保が大きな命題となるため、パートナーとの連携を今後も強めるものと弊社では考えている。

3. 事業分野別の業績
(1) ITコンサルティング&サービス分野
2024年3月期第2四半期においては、顧客企業のDX推進に向けたIT需要の高まりを背景に、ITサービス管理、クラウドマネージドサービス関連の案件が好調に推移。SaaS、iPaaSなどのクラウド系ソリューションにおいて収益性の高いプライム案件が拡大し、売上高は前年同期比27.1%増の3,218百万円となった。

(2) 金融ITソリューション分野
2024年3月期第2四半期においては、地銀系やクレジット関連向けの大規模案件がけん引して、売上高は前年同期比9.9%増の8,533百万円だった。クレジット、銀行関連のクラウド化やモダナイゼーション需要が活発になっている。さらに、キャッシュレス決済などの浸透を受けて他業態からの金融ビジネス参入が増えており、競争力強化に向けたモダナイゼーションが加速しているため、今後も需要が拡大する分野と、弊社では先行きに対しても強気の見方を持っている。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《HH》

 提供:フィスコ

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