ミロク情報 Research Memo(2):財務会計システムの大手で会計事務所と中堅・中小企業を顧客ターゲットに成長
■会社概要
1. 会社沿革
ミロク情報サービス<9928>は1977年の創業以来、財務会計を中心とする経営システム・経営情報サービスを提供してきた。サービス形態はITの進展とともに変化し、創業当初は計算センターでの計算処理サービスから始まり、オフコンビジネスからパソコン用パッケージソフトの開発・販売にシフトし、最近はクラウドサービスでの展開を強化している。また、事業領域の拡大に向けて、M&A戦略もここ数年は積極的に推進しており、主な実績として2020年に独立系で国内最大級の組織・人事コンサルティングファームである(株)トランストラクチャ、デジタルマーケティング支援やマーケティングプラットフォーム事業を行うトライベック(株)を子会社化したほか、2022年に顧客管理・営業支援システムの開発・導入支援を行う(株)BizMagicを子会社化した。
2. 事業内容
現在の主力事業は、財務・会計をコアとするERP事業(ERPシステムの開発・販売、導入支援サービス、各種保守サービス)で売上高の90%以上を占めており、残りはMJS M&Aパートナーズやトランストラクチャ、トライベック等の子会社が展開する事業領域である。
ERP事業の主な顧客は会計事務所と、その顧問先となる中堅・中小企業である。会計事務所のユーザー数は約8,400事務所と業界シェアで約25%を占め、TKC<9746>や(株)日本デジタル研究所と並ぶ業界大手の一角を占める。中堅・中小企業向けでは約17,000社のユーザーを抱えている。販売ルートは、会計事務所向けがほぼ100%直販となり、中堅・中小企業向けについては9割弱が直販、残りの1割強が代理店経由である。同社の顧客である会計事務所の先には約50万社の顧問先企業があるため、新規顧客の開拓余地は依然大きい。また、会計事務所やWebを通じて小規模事業者向けに簡易な会計ソフトを提供しており、そのユーザー数は8万人強となっている。
3. 関係会社の状況
2023年9月末時点のグループ会社は、連結子会社で10社、持分法適用関連会社で3社の構成である。連結子会社は2002年以降に子会社化した業務用システムの受託開発等を行う(株)エヌ・テー・シー、(株)エム・エス・アイ、リード(株)の3社のほか、2014年以降に設立またはM&Aで子会社化した、コンサルティングやフィンテック分野の事業等を展開する7社である。7社のうち、売上規模の大きい子会社はトライベックで年間20億円強、次いでトランストラクチャで10億円弱程度と見られる。
持分法適用関連会社は、連結会計システムの開発・販売を手掛けるプライマル(株)、近距離無線通信(NFC)による決済サービスの開発・販売を行う(株)韓国NFC、税理士・会計事務所向けセミナー開催・動画配信サービス等を提供する(株)KACHIELの3社となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《AS》
提供:フィスコ