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3762 テクマトリックス

東証P
1,790円
前日比
+9
+0.51%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.3 3.30 1.68 169
時価総額 797億円
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テクマト Research Memo(1):2024年3月期も計画を上回る増収増益を目指す


■要約

テクマトリックス<3762>は、情報基盤事業とアプリケーション・サービス事業、医療システム事業を展開する。情報基盤事業では、独自の“目利き力”により、北米を中心に高い技術力、競争力、成長力を持つネットワーク及びセキュリティ関連の製品を見出し、製品販売に留まらずシステム構築、保守・サポート、運用・監視サービスまでを含めたワンストップ・ソリューションサービスを提供している。また、アプリケーション・サービス事業では、CRM、ソフトウェア品質保証(以下、SE)、ビジネスソリューション及び教育の4つの分野でソリューションサービスを展開し、医療システム事業では医療機関向けPACS※を主力製品・サービスに、稼働施設数ベースのシェアで約2割、クラウドPACSだけで見ると約8割の高シェアを握る。

※PACS(Picture Archiving and Communication Systems):MRIやCT、超音波診断装置、内視鏡、PET等の医療検査機器で撮影された画像データを受信、データベースへ保存し、端末に表示するシステム。


1. 2024年3月期第2四半期累計業績の概要
2024年3月期第2四半期累計(2023年4月?9月)の連結業績は、売上収益で前年同期比18.6%増の24,602百万円、営業利益で同19.1%増の2,281百万円といずれも過去最高を更新し、会社計画(売上収益23,200百万円、営業利益2,000百万円)も上回る好調な滑り出しとなった。主力の情報基盤事業において、サブスクリプション課金モデルのクラウド型セキュリティ対策製品の引き合いが引き続き好調だったほか、前下期以降採算性を重視した営業活動に取り組んできたことで収益性も向上し、同事業の業績が同22.5%増収、同36.0%増益と大きく伸長したことが主因だ。アプリケーション・サービス事業もCRM、SE分野でサブスクリプション契約への切り替えが順調に進み増収増益となった。一方、医療システム事業は2022年2月にグループ化した旧PSP(株)との処遇制度統一に係る費用の計上や人員体制を強化したことにより減益となったものの、クラウドシフトが計画よりもスローペースで進んだこともあり、会社計画は上回った。なお、全体の受注高は前年同期に情報基盤事業で大型受注があった反動で、同5.3%減の29,122百万円と減少に転じたものの、第2四半期末の受注残高は前年同期末比14.0%増の56,929百万円と過去最高を更新した。

2. 2024年3月期業績見通し
2024年3月期の連結業績は売上収益で前期比7.7%増の49,500百万円、営業利益で同4.0%増の5,300百万円と期初計画を据え置いたが足元の状況は引き続き良好で、通期業績も情報基盤事業をけん引役として会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。情報基盤事業ではセキュリティ対策のプロセスをAI技術を活用して自動化する自律セキュリティプラットフォーム「Cortex XSIAM」(Palo Alto Nwetworks<PANW>2022年4月リリース)の需要が立ち上がり始めており今後の収益貢献が期待されるほか、次世代型メールセキュリティソリューションについても引き続き旺盛な需要が見込まれる。医療システム事業は減益となるものの、クラウドシフトのペースが緩やかなため通期計画も上回る見通しだ。アプリケーション・サービス事業については、教育分野の先行投資が続くものの、CRMやSE、ビジネスソリューション分野の増益でカバーする見通し。

3. 中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」の進捗について
2024年3月期までの3ヶ年の中期経営計画では当初、2024年3月期に売上収益で40,000百万円、営業利益で5,000百万円を目標に掲げていたが、情報基盤事業が想定以上のペースで成長しているほか、旧PSPをグループ化したことによる医療システム事業の拡大によって、売上収益・営業利益ともに上振れて着地する見込みとなった。重点施策に掲げていたテーマのうち、「海外市場での事業・拡大」については新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で遅れたが、「取扱製品の拡大・新規サービスの立ち上げ」「サービス化の加速」「多様なアライアンス・M&A」などはおおむね順調に進んだものと評価され、ストック売上比率も7割半ばまで上昇するなど収益の安定性も向上した。2025年3月期以降も既存事業の着実な成長が期待されるほか、教育機関向けクラウドサービスも公立学校における次世代型校務支援システムの導入が計画されるなかシェア拡大の好機になると考えられ、その動向が注目される。

■Key Points
・2024年3月期第2四半期累計業績は情報基盤事業がけん引し過去最高を更新
・情報基盤事業が好調持続、アプリケーション・サービス事業もCRM分野やSE分野のサブスクリプション課金が順調に積み上がり収益性が向上
・2024年3月期業績は過去最高を連続更新、会社計画も上回る公算大
・中期経営計画の重点施策はおおむね順調に進捗、2025年3月期以降のさらなる成長に期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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