三洋化成 Research Memo(12):サステナビリティ経営への取り組みを強化
■サステナビリティ経営
三洋化成工業<4471>はサステナビリティ経営に対する取り組みも強化している。社是に「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」を掲げ、バイオ・メディカルやアグリ・ニュートリションなどの新規分野も含めた事業を通じて、持続可能な経済成長と社会的課題の解決に貢献するとともに、働き方改革に向けた各種施策(組織改革、人事制度改革、ダイバーシティ、女性活躍支援制度、育児休業・育児軽減勤務制度、看護・介護休暇、再就業希望登録制度等)を通じた意識改革、社内風土改革、人材育成を進めている。
2022年7月には「サステナビリティ基本方針」を策定するとともに、中長期での価値創造に大きな影響を及ぼす重要課題として6つのマテリアリティを特定した。「事業に関するマテリアリティ」としては、Interface Innovator※としてカーボンニュートラルの達成(環境:E)、「はたらき」を化学してQOLを向上(同社独自分類の生命/生活:L)を、「基盤強化に関するマテリアリティ」としては、産業/文化/教育の価値創出を下支えしてイノベーションを創出(社会:S)、多様な価値観を認め合って人財育成と職場環境を向上(社会:S)、ガーディアン機能を強化してリスク管理を徹底(ガバナンス:G)、挑戦を恐れない透明性のある経営(ガバナンス:G)を特定した。
※界面制御といった技術や製品の提供だけに留まらず、人と人をつないだり、化学の枠を越えてソリューションを提供するなど、「あらゆる界面」で活性化を促す役割のこと。
その他の活動事例としては、2021年12月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同を表明、実績を残している。2022年1月に(特非)ファザーリング・ジャパン「イクボス企業同盟」に加盟したほか、同年3月に女性活躍推進法に基づく優良企業として「えるぼし」の3つ星(最高位)、同年4月にFTSE Russellにより構築されたFTSE Blossom Japan Sector Relative Indexの構成銘柄にそれぞれ選定された。また同年8月には植物由来のバイオマス原料を使用した環境配慮型の高吸水性樹脂(SAP)を開発し、日本有機資源協会が認定するバイオマスマークを取得した。2023年1月には持続可能な原材料調達の取り組みとして、「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」の認証(マスバランス方式)を取得した。同年2月には(株)JobRainbowが主催するダイバーシティ&インクルージョン(D&I)に取り組む企業を認定する「D&I Award 2022」において最高位の「ベストワークプレイス」、同年3月には経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2023(ホワイト500)」にそれぞれ認定された(健康経営優良法人として5年連続の認定)。また同年5月にポリエチレングリコール「PEG」製品について持続可能な製品の国際的な認証制度の1つであるISCC PLUS認証を取得し、同年7月にはFTSE Russellにより構築されたFTSE Blossom Japan Indexの構成銘柄に初選定された。同年9月には「パートナーシップ構築宣言」を公表した。このほか同年11月には同社のDEI(Diversity Equity & Inclusion)への取り組みが評価され、性的マイノリティであるLGBTQ等に関する取り組みを評価する「PRIDE指標※2023」において5年連続で最高評価の「ゴールド」を取得した。
※任意団体「work with Pride」による、日本初の職場におけるLGBTQなどのセクシュアル・マイノリティへの取り組みの評価指標のこと。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
《SI》
提供:フィスコ