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9882 イエローハット

東証P
2,507円
前日比
-7
-0.28%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.8 0.96 2.79 24.16
時価総額 1,252億円
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昇竜相場への懸け橋、新エース降臨!「究極の高配当バリュー」5銘柄 <株探トップ特集>


―新NISA時代の勝ち組目指す、攻めのバリュー株でジャパニーズドリームをつかめ―

 2023年相場もいよいよフィナーレが近づいてきた。日本株にとって今年は上昇パフォーマンスが際立った年と言ってよい。日経平均株価は年初の時点で2万5000円台に位置していたが、大方の懐疑的な見方を覆して年前半に大きく水準を切り上げ3万円台を突破、7月初旬には終値で3万3753円の高値をつけた。年初来高値ではあるが、これはバブル崩壊後の最高値と同義であり、1990年以来33年ぶりの高みに浮上した。年後半はもみ合い局面に移行したが、再三にわたって高値奪回に向けた動きが繰り返されるなど、波状的な買いの手が緩むことはなかった。

●解散価値を下回る銘柄で溢れ返る市場

 そのなか、年前半の上げ潮相場では低PBRで配当利回りの高い銘柄が選好される傾向が強く、いわゆる「バリュー株」の範疇に位置する銘柄群に投資資金が流れ込んだ。年間を通じてみても割安株の見直しが各業態で進んだが、これには理由がある。

 まず、大前提として日本株市場は会社解散価値を大きく下回るPBR1倍割れ企業で溢れ返っている。プライム市場で約半分の銘柄が解散価値以下の株価に放置されているという状況下、東証は3月に「プライム市場とスタンダード市場に上場する全企業」を対象に資本コストや株価を意識した経営を行うように要請、特にPBRが1倍を下回っている企業については、その解消に向けての義務が強く求められる環境に誘導した。

 これまでは低PBR企業は、株主資本を有効に活用していないというレッテルを貼られてはいたものの、具体的なアクションがみられず、株式市場でも物色人気を呼び込むというケースはあまりみられなかった。しかし、そのレッテルを剥がす必要性を企業側が強く認識し、経営努力によって課題解消に動く流れを作ったのは東証のファインプレーといってもよく、株式市場でも企業の株高に向けた自助努力に期待する形で、一つのテーマ物色の流れが形成された。

●バフェット効果でバリュー株に新たな息吹

 これに弾みをつけたのが、著名投資家ウォーレン・バフェット氏の来日である。4月に日本を訪れたバフェット氏は日本の総合商社株の保有株比率を高めたことを明らかにし、更なる追加投資にも言及、三菱商事 <8058> [東証P]や伊藤忠商事 <8001> [東証P]などをはじめ商社株が軒並み上げ足を強めたのは記憶に新しい。その際、商社株は低PBR株の宝庫であり、バフェット氏が割安株への投資に主眼を置いていることで、バリュー株への資金シフトの動きに再び鞭が入った。日本郵船 <9101> [東証P]などの海運株や日本製鉄 <5401> [東証P]を筆頭とする鉄鋼株などが商社株の後を追いかける形で株価水準を切り上げた。“バフェット効果”による日本株割安論の広がりと、東証主導による「PBR1倍割れ解消」に向けた動きが共鳴する形で、投資資金のバリュー株流入を加速させたが、これが日経平均上昇の急先鋒となったことは論をまたない。

 24年相場の幕明けを目前にして、再びバリュー株への関心が高まりそうだ。年が明ければ新たな個人マネーを誘導するであろう「新NISA」がスタートする。海外、主に米国に投資対象を求めて資金が流出するという見方もあるが、為替の動向が気にかかるほか、そうでなくても日本株は米国と比べてかなり割安水準に位置しており、それだけ中期投資という観点から優位性がある。

●本丸はあくまでキャピタルゲイン

 証券会社などの事前アンケートでは配当利回りの高い企業、そしてPBRの低い企業が好まれる傾向がある。また、成長性にスポットを当てても個別企業の業績をみれば瞭然で、日本株を悲観する要素は乏しい。来年の株式市場の見通しは日米ともに今年ほどのパフォーマンスが期待できないかもしれないが、企業のファンダメンタルズに視点を合わせれば、下値リスクは限定的であるともいえる。投資家サイドからの目線では、来年1年間だけで個別株投資の軍資金として、1人当たり240万円までの非課税枠が使えることになるためインパクトは大きく、その一部が日本株に振り向けられるとしても東京市場にとっては心強いフォローウインドとなる。

 今回のトップ特集では、新NISA導入を控え、成長期待十分でなおかつ配当利回りが高く、PERもしくはPBRなどの投資指標面でバリュー株の素地を持つ有望株に焦点を当てる。インカムゲイン(配当所得)という果実はあくまで保険として横に置いておき、キャピタルゲイン(株価の値上がり益)獲得を真の狙いとした“攻めのバリュー株”を5銘柄選りすぐった。

●バリュー株の新星、ここから狙う5銘柄

【エスケーエレ】次世代フォトマスクで成長加速

 エスケーエレクトロニクス <6677> [東証S]は大型フォトマスクの専業メーカーとして高い商品競争力を有し、特に液晶向けでは業界シェア断トツを誇る。海外売上比率が9割というグローバル企業だ。独自の描画・プロセスにおける最先端テクノロジーを駆使し、ポリシリコン液晶や有機ELディスプレーなど高精細のFPD対応フォトマスク開発に期待が大きい。

 業界初の次世代用(第10世代以上向け)フォトマスクの量産体制も確立し、ニーズ獲得に積極的な構えを見せている。23年9月期はトップラインが2ケタ伸長を確保、営業利益は前の期比25%増の47億7900万円と好調だった。24年9月期は前期比9%増の52億円を見込むが、25年9月期には成長が再加速し6期ぶりの過去最高益更新も視野に入る。

 新中期計画では26年9月期に売上高351億円(今期予想301億円)、営業利益率20%以上を目標に掲げる。成長期待に加えて時価予想PER10倍割れ、5%前後の配当利回りはかなり魅力的といえる。株価は年初来高値3680円払拭から4000円台活躍へ。

【岡本工】半導体関連事業に注力し飛躍局面へ

 岡本工作機械製作所 <6125> [東証S]は砥石を使い削り取って加工する平面研削盤の国内トップメーカーであり、高度な磨き技術を活用してバックグラインダーやポリッシングマシン、スライシングマシンといった半導体製造装置にも幅広く展開、最先端の業界ニーズを取り込み収益に反映させている。

 半導体メモリー市況は底入れが鮮明となりつつあり、同社の事業環境に追い風が強まっている。長期ビジョンとして30年3月期に半導体関連事業の売上高目標を前期実績比で2倍以上となる300億円を掲げている。業績は22年3月期を境に急拡大期に突入、24年3月期は営業7%増益の60億円と伸び率は鈍化する見通しながら2期連続の過去最高益更新が濃厚とみられる。

 株価は7月3日の年初来高値6480円からは1000円強下押しているが、ここは強気対処で報われそうだ。PER6倍前後で株主還元にも積極的、今期は3期連続増配で200円配当を計画しているが、来期以降の増配にも期待が募る。

【フェイスNW】最高益更新続き大幅増配評価

 フェイスネットワーク <3489> [東証S]は投資用不動産の企画販売を手掛けるが、東京の世田谷区、目黒区、渋谷区の「城南」を中心エリアとしている。投資家(不動産オーナー)向けにRC物件(鉄筋コンクリートで造られた物件)の1棟売りを主力とする。業績はトップライン、利益ともに好調を極めており、23年3月期営業利益は単独ベースで前の期比43%増の25億1800万円と過去最高を大きく更新した。

 続く24年3月期営業利益は連結決算移行のため単純比較はできないが、33億円予想と3割を超える高水準の伸びで実質大幅最高益更新が続く見通しにある。注目すべきは株主還元で、24年3月期は年間配当71円を計画。前期実績は株式分割考慮で実質42円であったから、30円近い大幅増配となる。配当利回りに換算して5%を上回り、しかも期末一括配当だ。

 株価は6月23日に1656円の上場来高値を形成したが、時価はそこから300円弱下押した水準で絶好の拾い場にみえる。75日移動平均線越えで弾みがつく可能性もありマークが怠れない。

【パイオラック】配当性向100%で利回り抜群

 パイオラックス <5988> [東証P]は自動車部品メーカーで工業用ファスナーと精密バネを主力とし、販売先は日産グループ向けの比率が高い。半導体不足解消による自動車生産回復が収益環境に追い風となっている。また、高技術力を横軸展開し医療機器分野も育成、血管内治療に使われるカテーテルなどで需要獲得を進めている。

 業績回復色は鮮明で24年3月期は増収効果を反映し、最終利益が前期比10%増の37億円と2ケタ成長を見込む。これを受けた同社の最大のポイントは23年3月期から26年3月期まで配当性向100%を掲げていることだ。24年3月期年間配当は119円を計画し、配当利回りは5.5%近くに達する。

 また、PBRも0.7倍前後と解散価値を3割程度下回っており、株価の水準訂正余地は十分といえそうだ。ここ1カ月近くにわたり下値模索の動きにあったが、時価近辺は魅力的な買い場を提供している。9月19日の年初来高値2470円奪回は早晩実現する公算が大きく、2000円台後半を目指す動きが想定される。

【イエロハット】3拍子揃った好業績バリュー

 イエローハット <9882> [東証P]はカー用品や二輪車用品の販売大手で、車検や整備・取付作業なども手掛ける。居抜き物件中心の出店戦略で全国チェーン展開を図っている。脱コロナに伴う経済活性化でドライブ需要の回復が追い風となり業績は好調。23年3月期は営業利益段階で前の期比8%増の152億5000万円と6期連続で過去最高を更新したが、続く24年3月期も伸び率こそ鈍化するものの、155億円予想とピーク利益更新基調が続く見通しにある。

 PERが7倍台、PBRは0.7倍台で、配当利回りも3.8%前後と高く、株価指標面から3拍子揃ったバリュー株として評価。株価は9月7日に1958円の年初来高値を形成、時価は200円以上下押した水準にあるが、底値買いの好機にある。

 10月には三井住友DSアセットマネジメントが共同保有で5%超の大株主に浮上、保有目的は純投資としている。1700円台は評価不足歴然といえ、早晩切り返しに転じ年初来高値に再チャレンジする場面も視野に入りそうだ。


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