USENNEX Research Memo(9):上期は様子見で、やや保守的な印象
■業績動向
3. 2024年8月期の業績見通し
USEN-NEXT HOLDINGS<9418>の2024年8月期の業績見通しは、売上高が300,000百万円(前期比8.6%増)、営業利益が24,000百万円(同11.3%増)、経常利益が23,300百万円(同14.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が12,100百万円(同10.4%増)を見込んでいる。なお、「Paravi」統合に伴って非支配株主に帰属する当期純利益が通年発生するため、親会社株主に帰属する当期純利益の伸びはやや低い。
同社は、グループの経営資産である映像コンテンツや音楽コンテンツ、IoT各種商材、ネットワークインフラ、安定した顧客基盤などの強みと、強力な直販体制及びテレマーケティング、Webマーケティング、代理店網などの販売チャネルを最大限活用することにより、グループシナジーを最大化させ、さらなるサービス創出力、成長性、利益創出力を強化する方針である。また、急速に変化するテクノロジーや社会環境、アフターコロナにより大きく変化する消費行動や企業活動に対して、IoT・AIといったIT技術などを活用して市場におけるニーズやビジネス機会をいち早く捉え、迅速な意思決定のもと、サステナブルな利益成長により株主価値及び企業価値の最大化に取り組む考えである。
2024年8月期は、円安などによる海外コンテンツ原価の上昇が引き続き懸念されるが、コンテンツ調達における取引内容や経済条件の見直し交渉などで対応する方針である。加えて今後も、国内定額制動画配信サービス市場のさらなる拡大や、景気やインバウンド需要の回復による深刻な人手不足を背景に店舗・施設でDXサービス需要の増加、改刷による自動精算機の入れ替え特需など好材料が各事業で予想されることから、会社予想以上の業績を見込みたいところである。そういう意味で、会社予想はやや保守的な印象を与える。この点について同社は、人的資本の強化やオフィス環境整備、セキュリティ対策などのコスト増を想定しているほか、統合した「Paravi」の効果や前期絶好調だったエネルギー事業の業況について、少なくとも上期は様子見する必要があると考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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提供:フィスコ