BS11 Research Memo(7):2024年8月期はタイム収入の増加と周辺事業収入の強化を図る
■今後の見通し
1. 2024年8月期の業績見通し
日本BS放送<9414>の2024年8月期の連結業績予想については、売上高12,600百万円(前期比1.5%増)、営業利益1,910百万円(同3.7%減)、経常利益1,910百万円(同5.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,318百万円(同4.9%減)と、売上高は増収、各利益は減益を見込んでいる。スポット収入は、コロナ禍特需からの落ち込みが予想される通販スポットの影響により、前期比5.1%減を予想。一方、タイム収入は同3.0%増、その他事業収入は同20.1%増と順調に推移すると見込んでおり、売上高合計では前期を上回る計画だ。各利益については、通期で数パーセントと1桁台の減益を見込む。ただし、第2四半期累計の減益幅は通期に比べて大きく、第2四半期累計の営業利益は前年同期比25.6%減を見込んでいる。これは、前期に行ったスタジオ設備更新による償却負担が前期第2四半期より生じているため、償却負担の少なかった前期第1四半期からの減益幅が大きくなることが主因である。
利益計画については、スタジオ設備の償却負担が通期で生じること、特番や他局とのコラボレーション番組等の制作、アニメ・配信ビジネス等の非放送分野やマルチ展開可能なコンテンツ開発への投資を前期並みに進めることから、保守的に判断しているところがあるだろう。しかし、2023年8月期においては、同社が出資したアニメ映画「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」が興行収入14億円を超え、出資コンテンツの販売や配信等が増収につながったという実績もある。もっとも、同社は計画に対しておおむね超過実績を示す傾向にあり、2023年8月期も各利益は計画を1割ほど上回って着地している。減益を見込んでいるが、あくまで確度の高い最低ラインの計画であると弊社では考えている。
10月の番組改編と併せて特番、U-NEXTとの共同制作番組、海外ドラマ、レギュラー番組のリニューアル等、続々と強化されたコンテンツが投入される予定であり、これらのコンテンツがセールスの強化につながり、マルチユースによる配信ビジネスへの展開等、非放送分野での収益の積み上げに貢献していくことが予想されると弊社では考えている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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提供:フィスコ