BS11 Research Memo(4):コンテンツのマルチユース等による非放送分野への展開を加速
■業績の動向
1. 2023年8月期の業績概要
日本BS放送<9414>の2023年8月期連結業績は売上高が12,417百万円(前期比1.4%増)、営業利益1,983百万円(同17.2%減)、経常利益2,015百万円(同15.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,386百万円(同13.3%減)となった。計画値(売上高12,500百万円、営業利益1,810百万円、経常利益1,810百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,255百万円)に対して売上高は0.7%未達となったが、営業利益は9.6%超、経常利益は11.3%超、親会社に帰属する当期純利益は10.5%超となり、各利益は計画を上回って着地した。
売上高は、放送事業収入が前期比131百万円減少した一方、その他事業収入が同209百万円増加した。タイム収入は、開局15周年特別番組や人気レギュラー番組スペシャル拡大版等の特番セールスの強化を図り、前期比3.7%増となった。一方スポット収入は、コロナ禍において巣ごもり需要を伸ばしていた通販スポットが一服して同14.3%減となっている。また、コンテンツの販売・配信ビジネス等が好調となったその他事業収入は、同37.0%増加した。営業利益は、開局15周年特別番組をはじめ、レギュラー番組のスペシャル拡大版、全国の夏祭り・花火大会の生中継等の地方局とのコラボレーション番組、配信オリジナルコンテンツの制作やドラマをはじめとしたコンテンツの購入等、コンテンツの充実・強化のための費用並びにスタジオ設備の更新等にかかる償却コストが増加し、各利益とも前期比で減益となった。
2. 売上区分別の状況(個別)
売上高(個別)全体の71.3%を占めるタイム収入の売上高は、前期比3.7%増の8,288百万円と堅調に推移し、期初計画値8,097百万円を2.4%上回った。開局15周年特別番組をはじめとした特番、レギュラー番組スペシャル拡大版、夏祭り生中継等の地方局とのコラボレーション番組等において、コンテンツの充実とそのセールスを強化したことが奏功した。
同22.0%を占めるスポット収入の売上高は、前期比14.3%減の2,563百万円で着地した。巣ごもり需要を背景として2021年8月期の第4四半期から好調を維持していた通販番組の出稿が一服し、期初計画値3,065百万円を16.4%下回った。
同6.7%を占めるその他事業収入の売上高は、前期比37.0%増の773百万円と伸長した。同社が出資するアニメ製作委員会等のアニメ作品の興行、コンテンツの販売や配信ビジネス等が好調であったことから増加し、期初計画値638百万円を21.3%上回った。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
《SI》
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