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6963 ローム

東証P
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前日比
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PTS
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22:17 11/22
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三井郁男氏【日経平均一時バブル後高値、年末ラリーへ期待膨らむ】 <相場観特集>


―米インフレ鈍化受けて株式市場に資金流入、新年以降の持続高へのカギとは―

 週明け20日の東京株式市場で日経平均株価の上げ幅は270円近くとなる場面があり、7月につけた年初来高値(3万3753円)を一時上回った。バブル崩壊後の高値圏に突入したのも束の間、朝方の買いが一巡すると一転して下げに沈む展開となり、荒い値動きをみせた。とはいえ、米利上げサイクルの終了観測で米長期金利に低下圧力が掛かり、世界の株式市場に投資資金が回帰しつつあるなか、年末の株高ラリーへの期待も膨らんでいる。ここからの相場展望について、国内外の金融機関で40年近くにわたり日本株運用に携わってきたアイザワ証券の三井郁男氏に話を聞いた。

●「高値更新も通過点、適度なインフレで株高トレンド継続へ」

三井郁男氏(アイザワ証券 投資顧問部 ファンドマネージャー)

 日経平均は20日、取引時間中では33年ぶりの高値圏に浮上したが、これは一つの通過点に過ぎない。マクロ面でみると、日本経済は長期間にわたり続いたデフレ環境から、適度なインフレ環境へと転換しつつある。モノやサービスの価格を、その価値に見合った価格に設定できるようになれば、日本企業の収益を拡大させることとなる。24年3月期第2四半期累計(4-9月)の上場企業の決算発表を振り返ってみても、業績予想の上方修正に動いたところは多く、利益率を高めた企業が相次いでいる。更に、インバウンド需要が増加しているうえ、賃上げの実施とその効果への期待も高まっている。来期の東証プライム上場企業は4期連続で過去最高益となるだろう。こうした日本独自の要因をエンジンとして、来期の日経平均も上昇が継続すると考えている。

 適度なインフレ経済への移行とともに、市場では日銀の金融政策の正常化に向けた思惑が広がっている。しかし、マイナス金利政策が解除されたとしても、世界経済の先行きに懸念材料が横たわっているのも確かであり、日本の長期金利が急上昇するようなイメージは描きにくい。上昇したとしても1.2~1.3%程度で、日本の企業業績に悪影響を及ぼすまでには至らないはずだ。

 海外ではインフレのピークアウトを示す米国の経済指標が続々と発表され、米長期金利は4.5%を下回る水準まで低下した。米長期金利の上昇という相場へのマイナス要因がはく落し、10月末以降の日本株の急ピッチな戻りにつながった。こういう局面では必ず短期的な過熱感が生じるものだが、今回は値幅調整よりも日柄調整によって、過熱感を冷ます形となるはずだ。ある程度の日数が経過すれば、再び上値を試す展開となると考えている。

 この先の1ヵ月間の日経平均は3万3000円から3万4500円の範囲で推移すると予想している。半導体サイクルの底入れ機運を背景に、東京エレクトロン <8035> [東証P]やアドバンテスト <6857> [東証P]など半導体製造装置関連、村田製作所 <6981> [東証P]やローム <6963> [東証P]など電子部品半導体関連の主要銘柄が注目されるだろう。適度なインフレという観点でメガバンク、消費の二極化という文脈で百貨店も底堅く推移するとみている。今年前半はバリュー株一色の展開となったが、この先はグロース株を加えた循環物色が続く展開となり、マーケットに厚みが出てくるのではないか。値頃感のある中小型株も、循環物色の対象に位置付けられるに違いない。


(聞き手・長田善行)

<プロフィール>(みつい・いくお)
1984年からファンドマネージャーとして日本株運用を40年近く続ける。国内銀行投資顧問、英国の投資顧問会社、国内大手信託銀行を経て、投資顧問会社を設立。2013年からアイザワ証券の投資顧問部で日本株ファンドマネージャー。自ら企業調査するボトムアップ運用を続けている。

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