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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「高値挑戦も、その前に調整もあり得る」

株式評論家 富田隆弥

日経平均株価は順調な足取りだ。11月16日には3万3614円まで上昇して、6月に付けたバブル崩壊後の高値3万3772円に迫った。8月は3万3488円、9月は3万3634円で上値を抑えられたが、三度目の正直で「33年ぶり高値圏」を再び更新できるのかが注目されるところだ。

◆株高の背景には、NYダウなど米国株の上昇がある。米国では消費者物価指数(CPI)など経済指標の鈍化が相次ぎ、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ打ち止め観測が台頭して長期金利が低下。さらに好調な企業業績、そして17日が期限だったつなぎ予算も上下院で延長案が可決した。このように好材料が揃って15日のNYダウは3万5051ドルまで高値を伸ばし、8月1日に付けた年初来高値の3万5679ドルを視野に入れてきた。

◆こうなると投資家のマインドも好転し、「師走相場」「クリスマスラリー」への期待が膨らむ。日経平均株価の週足を見れば、6月中旬から10月末まで4カ月半の調整を入れ、3万円台のネックライン上でダブル底を描いて出直ってきた。週足の順位相関指数(RCI)も9週・13週線が底打ち反転を見せており、6月高値を抜いて二段上げに突き進むのは時間の問題とも言える。

◆ただし、好材料が重なり短期に急騰してきた相場だ。目先、調整を挟むことは想定しておく。日足のテクニカル指標でRCI(9日、13日、25日線)が高値圏に集まり、サイコロジカルラインも8勝4敗にきている。以前に紹介したように昨年、一昨年と同様に10月安値から浮上してきたが、そのどちらも高値示現は勤労感謝の日、米国の感謝祭(今年は11月23日)前後で、11月下旬から12月にかけて調整を入れている。これらを踏まえると、ここから1~2週間は「押し目買い」を基本として、短期投資であれば機敏に立ち回ることも一策と思われる。

(11月16日 記、次回更新は11月25日を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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