STIフードHD Research Memo(7):経常利益率10%以上の達成に向け重点方針を再確認
■重点方針と重点施策
1. 重点方針の再確認
コロナ禍や原材料費高という厳しい時を経て、STIフードホールディングス<2932>は原材料調達部門、製造部門、知的財産部門それぞれが事業への貢献を追求することでより強い企業集団を作り上げるという重点方針を再確認した。品質や価格、海洋資源保護など持続可能性を考慮した原材料調達への徹底したこだわりによって原価率を低減し、一貫製造、良品製造、生産キャパシティの増強、原材料の使い切り、CO2削減など製造能力を磨き上げることで生産効率を引き上げ、独自性の強い技術開発やコア技術の周辺展開、技術プラットフォーマーの地位の構築などによる新技術の知的財産化によって市場競争力を向上させる方針である。
なかでも原材料調達は、同社の祖業が商社であったことを強みに最適な産地の開発など見直しをかける考えである。すでに商社のごとく、世界各地の産地に実際に出向いているところである。また、不断の開発や水産特許の数、テレビ番組での高評価など技術で他社を圧倒的に差別化しているが、知財管理委員会を設置してこの差をさらに広げる計画である。商品開発力を深めることで、これも圧倒的に差別化されたポジションの獲得を目指すが、一方でマーケットイン型の商品開発も増やす方針である。このように重点方針を再確認することで、原材料調達で2.5%、製造能力で6%、新技術開発で2.5%、トータル10%以上の経常利益率を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《SI》
提供:フィスコ