セグエ Research Memo(4):2023年12月期第2四半期業績は、売上高など過去最高を更新
■業績動向
1. 2023年12月期第2四半期の業績概要
2023年12月期第2四半期累計期間における国内経済は、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響は収束が進むものの、世界的な金融引締め、ウクライナ情勢の長期化や円安による資源や物価の高騰など、先行き不透明な状況が続いている。セグエグループ<3968>の属するIT業界においては、製品価格の上昇などが引き続き懸念されるものの、DX関連投資への意欲増大により、積極的なIT投資を行う企業が多いことが期待される。また、サイバー攻撃が増え続けていることから、セキュリティへの投資も堅調に推移すると見込まれる。
このような環境のなかで同社グループでは、プロダクトの販売については、DXインフラの販売が大幅に増加し、加えて半導体不足による納期遅延の改善が進んでいる。サービスの販売については、好調なプロダクト販売に付随して設計及び構築サービス(プロフェッショナルサービス)、サポートサービスが増加した。また、ジェイズ・テクノロジーでは、DX支援の強化を目的としてDXセンターを東京と福岡に開設した。
これらの結果、2023年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高9,058百万円(前年同期比50.9%増)、売上総利益2,083百万円(同27.3%増)、営業利益627百万円(同90.0%増)、経常利益603百万円(同31.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益407百万円(同2.2%減)となり、売上高、売上総利益、営業利益、経常利益で過去最高を達成する好決算であった。売上高は、プロダクト販売及びサービスの提供が好調であり、さらに納期遅延が回復傾向で、受注残高分の売上を計上したことで、大幅増収となった。売上総利益は、売上高の大幅伸長に伴い増益となった。営業利益は、売上総利益の増加が、採用強化による人員の増加や全社員へのインフレ支援金による販管費の増加を吸収して、大幅増益となった。なお、営業外損益で、前年同期の為替差益から為替差損に転じたことで、経常利益の増益率は営業利益の増益率を下回った。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に特別利益として投資有価証券売却益を計上した反動で小幅減益となった。
ビジネス別業績では、VADビジネスは、受注残高分の納品が進み、売上高4,563百万円(同54.5%増)、売上総利益966百万円(同42.6%増)と大幅な増収増益であった。一方で、受注高は順調に推移した。また、システムインテグレーションビジネスも、DX需要によりインフラシステムの納入が好調で、売上高4,077百万円(同56.9%増)、売上総利益800百万円(同23.0%増)と大きく伸長した。下期に見込んでいた大型案件が、上期に前倒しで計上された。一方、自社開発ビジネスは、多くの自治体で2016年~2017年に開始した自治体情報システム強靭化案件におけるリプレース需要のピークが過ぎたものの、官公庁の大型案件を獲得したことで、売上高416百万円(同7.7%減)、売上総利益317百万円(同2.9%増)となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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提供:フィスコ