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運転手不足を解決せよ、「物流2024年問題」で活躍妙味の銘柄リスト <株探トップ特集>


―政府は「物流革新緊急パッケージ」策定、来春の残業規制強化で人手確保更に厳しく―

 物流業界の「2024年問題」に関する話題を耳にする機会が増えてきた。来春から自動車運転業務に従事する人の残業規制が強化されるのに伴い、もともと課題となっていたトラック運転手の確保が更に難しくなり、将来的に配達遅れや送料の高騰といった事態を招くかもしれないという。規制強化が迫るなか、政府は物流2024年問題への緊急対策を直近打ち出し、問題解決に向けた動きを後押しする姿勢を明示。株式市場ではこの動きが商機につながりそうな銘柄が次々と脚光を浴び、個人投資家の物色を集めている。

●28年度にドライバー約28万人不足へ

 2024年問題には、2018年に成立した働き方改革関連法の残業規制が関わっている。既に大企業では19年から、中小企業では20年から規制が適用されているが、一部でその業務の特性を考慮し適用猶予期間が設けられた業種がある。それが、トラック運転手を含む自動車運転従事者、建設労働者、医師だ。猶予期間を経て24年4月からいよいよ適用開始となるわけだが、どれも慢性的な人手不足が叫ばれている業種だけに、適用後どのような影響が出てくるのか懸念されている。この残業規制の適用によって物流や建設、医療業界で今後起こるであろうさまざまな問題のことを2024年問題と呼ぶ。

 なかでも、物流業界を巡る2024年問題がここ大きくクローズアップされている。政府は6日、同問題への対策として「物流革新緊急パッケージ」を策定した。物流施設の自動化や機械化、機器・システム導入による働きやすい職場環境の整備などを進めるため、必要な予算確保も含めて緊急的に取り組む構えだ。緊急対策の資料では、何も対策を講じない場合「24年度には14%、30年度には34%の輸送力不足の可能性」と指摘している。

 トラック運転手の需要量に対する供給量が28年度に約27万8000人不足する、との鉄道貨物協会による予測もある。運転手不足の背景には少子高齢化による労働力人口の減少という日本社会全体の課題があり、一朝一夕に解決するのは難しい。しかし、それだけに今後解決に向けたデジタル化や自動化、生産性向上に向けた取り組みは中長期にわたり継続的に進められていくとみられ、物流業界向けに各種サービス・ソリューションを提供する企業には大きなビジネスチャンスとなり得る。関連銘柄をまとめた。

●物流システムでは物色人気のロジザード、YEデジタルなど

 まずは、物流システムを手掛ける銘柄から見ていこう。ダイフク <6383> [東証P]が筆頭格だが、個人好みの中小型株では足もと物色人気化している在庫管理システムのロジザード <4391> [東証G]、安川電機グループのシステム開発会社で物流業界のデジタル化需要を捉えるYE DIGITAL <2354> [東証S]に注目。

 空港や配送センターの物流システムを手掛けるトーヨーカネツ <6369> [東証P]、在庫管理など各種物流システムを提供する東計電算 <4746> [東証S]、システム開発を含む物流コンサルサービスを展開する鈴与シンワート <9360> [東証S]にも目を向けておきたい。

●イーロジット急動意、3PL関連株をチェック

 物流業務を企業から受託する3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)に絡む銘柄群も要チェックだ。AZ-COM丸和ホールディングス <9090> [東証P]やセンコーグループホールディングス <9069> [東証P]、SBSホールディングス <2384> [東証P]、トランコム <9058> [東証P]、ハマキョウレックス <9037> [東証P]がある。ここ急動意しているネット通販事業者向け物流代行のイー・ロジット <9327> [東証S]のほか、配送センター代行の関通 <9326> [東証G]、AZ丸和HD傘下で物流サービスを展開するファイズホールディングス <9325> [東証P]も押さえておこう。

 このほか、物流システムや3PL以外で物流サービス・ソリューションを提供する銘柄としては、物流資材レンタルの日本パレットプール <4690> [東証S]やユーピーアール <7065> [東証S]、物流倉庫の生産性を向上させる3Dシミュレーターを取り扱うゼネテック <4492> [東証S]、荷主と運送業者をつなげる「ハコベル」を共同運営するセイノーホールディングス <9076> [東証P]とラクスル <4384> [東証P]、クラウド型車両管理システムのスマートドライブ <5137> [東証G]などがある。

●FUJIなど宅配ボックス関連に関心、モーダルシフトも

 政府の緊急対策では、宅配の再配達率を減らす取り組みにポイントを付与する制度も盛り込まれた。株式市場では再配達削減の動きが広がることで恩恵を受けそうなテーマとして、宅配ボックス(宅配ロッカー)関連が関心を集めつつある。産業機械メーカーのFUJI <6134> [東証P]をはじめ、住宅建材中堅のダイケン <5900> [東証S]、金属加工メーカーの日創プロニティ <3440> [東証S]、老舗商社の神栄 <3004> [東証S]などが宅配ボックスを手掛けており注目だ。

 緊急対策ではモーダルシフトの推進も掲げられており、これも見逃せない。モーダルシフトとは、輸送手段を自動車から環境負荷の少ない鉄道や船舶に切り替えることだ。既に動意づいている栗林商船 <9171> [東証S]など海運株に加え、港湾運送や倉庫、鉄道事業を手掛ける銘柄群をマークしたい。

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