貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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4324 電通グループ

東証P
3,744円
前日比
-17
-0.45%
PTS
3,749.9円
23:56 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
41.3 1.16 3.73 0.38
時価総額 9,952億円
比較される銘柄
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GMOーAP Research Memo(1):2023年12月期第2四半期は減益も、下期に向け挽回策を打ち出す


■要約

GMOアドパートナーズ<4784>は、親会社であるGMOインターネットグループ<9449>のインターネット広告・メディア分野を担う中核企業である。GMOインターネットグループが掲げる「すべての人にインターネット」という企業理念のもと、グループシナジーも生かしてインターネット広告事業におけるナンバーワンを目指している。

1. 自社企画サービスが強み、新たな取り組みとして「ChatGPT API」の活用なども推進
同社は総合インターネット広告代理店として、エージェンシー事業(インターネット広告代理事業、Webマーケティング事業など)と、メディア・アドテク事業(アドテクノロジー商品の開発・運営、メディア・コンテンツの開発・運営など)を展開している。エージェンシー事業のアフィリエイト広告一元管理ツール「TRUE Affiliate byGMO」が成長ドライバーとなり、新たな取り組みとして「ChatGPT API」の活用なども推進している。同社のインターネット広告業界におけるポジションは、サプライチェーンを横断的に包含した総合インターネット広告代理店として、売上高では大手3社(電通グループ<4324>、博報堂DYホールディングス<2433>、サイバーエージェント<4751>)に次ぐ規模である。そして、広告主と生活者をつなぐ事業体制を確立し、市場ニーズを追求した自社企画サービスを特徴・強みとして業容を拡大している。

2. 2023年12月期第2四半期の業績概要
2023年12月期第2四半期の連結業績は、取扱高(収益認識基準適用前の売上高に相当)が前年同期比1.9%増の19,533百万円、売上高が同2.9%減の8,145百万円、営業利益が同85.0%減の78百万円、経常利益が同61.8%減の208百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同63.7%減の106百万円となった。取扱高はエージェンシー事業がけん引して増加したが、売上高はメディア・アドテク事業の回復遅れなどで全体として減収となり、利益面は前期の人財投資に伴う人件費の増加に加えて、事業運営活発化に伴う営業関連費用増加なども影響して減益となった。なお上期の費用増加は一時的要因によるものが多く、下期はコスト抑制や生産性向上効果を見込んでいる。営業外収益では為替差益37百万円、投資事業組合運用益67百万円を計上した。

3. 2023年12月期通期の業績予想
2023年12月期通期の連結業績予想は期初計画を据え置いて、取扱高が前期比5.2%増の40,500百万円、売上高が同5.2%増の17,500百万円、営業利益が同10.5%増の785百万円、経常利益が同11.8%増の835百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.6%増の430百万円としている。第2四半期が減益となり、通期予想に対する利益進捗率も低水準(営業利益10.0%、経常利益25.0%、親会社株主に帰属する当期純利益24.8%)となったが、下期の挽回策として、競争優位性が高く利益率も高い自社企画サービスの拡販、新規顧客・案件の獲得、既存顧客との取引拡大、ChatGPTなどAIやRPAなども活用した生産性・コスト効率の向上、高度人財による組織力強化などを推進する。また、上期の減益の一因となったスポット費用は下期には発生せず、人財採用も上期までにおおむね完了したため下期は採用費等が抑制される見込みである。通期予想の達成については、下期の挽回策の進捗次第となるだろう。

4. 中期経営計画
インターネット広告市場は動画広告やソーシャル広告なども寄与して高い成長率が予想される。このように良好な事業環境のもと、同社は2023年2月に「2023年-2028年中期経営計画」を策定した。2ケタ成長を継続し、2025年12月期に営業利益10億円、2028年12月期に営業利益15億円という目標を掲げている。市場は変化が激しく競争の激化が予想されるものの、事業環境は良好であり、総合インターネット広告代理店としての強みや自社企画サービスの競合優位性を生かしながら、事業拡大、経営基盤強化、収益性向上を基本戦略とする。そして高粗利・高付加価値の自社企画サービスへの集中による粗利率のさらなる向上、新規成長市場・既存周辺領域(DX支援市場、NFT・メタバース市場、DOOH市場、D2C市場)へのチャレンジなどにより目標達成を目指す。

5. 中期的な収益拡大トレンドに変化なし
インターネット広告市場が拡大基調であるなか、同社の総合インターネット広告代理店としての競合優位性や成長期待について弊社では高く評価している。2023年12月期上期が減益となったが、これは一時的費用の増加の影響である。高粗利・高付加価値の自社企画サービスを武器とする中期的な収益拡大トレンドに変化はなく、新たな取り組みとして「ChatGPT API」の活用を推進するなど成長ポテンシャルは大きいと弊社では考えている。したがって当面は2023年12月期下期以降の利益回復動向に注目したい。

■Key Points
・GMOインターネットグループのインターネット広告・メディア分野を担う中核企業
・総合インターネット広告代理店として自社企画サービスに強み
・2023年12月期第2四半期は一時的費用も影響して減益
・2023年12月期通期は増収増益予想を据え置き、下期は回復基調
・成長市場へのチャレンジも推進して2028年12月期は営業利益15億円を目指す
・中期的な収益拡大トレンドに変化はなく、成長ポテンシャルも大きい

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SI》

 提供:フィスコ

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