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3992 ニーズウェル

東証P
300円
前日比
+6
+2.04%
PTS
299.2円
15:23 11/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.1 2.70 3.00 90.04
時価総額 122億円
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ニーズウェル Research Memo(7):重点施策は毎期見直しを実施(1)


■ニーズウェル<3992>の中期経営計画

2. 現中期経営計画の重点施策
現中期経営計画のおける重点施策は、以下の7つである。なお重点施策においては「Try & Innovation」を掲げており、IT投資ニーズの変化に対応するため毎期見直しを行っている。

(1) 企業価値向上の推進
現中期経営計画ではスピード感ある成長を推進するため、M&Aや資本業務提携など協業関係の構築を積極的に推進し、販路・受注・製品・技術者を拡充することで成長を目指している。主な実績は次のとおり。2020年2月に、(株)アイティフォーとシステム開発案件の要員確保のために両社の技術者を活用する資本業務提携を行った。同年12月には、(株)物流革命及び(株)オフィスエフエイ・コムとWMSや倉庫ロボット、IoT技術を活用した新たな物流システムを提案する協業を開始した。2021年7月にはキヤノンITソリューションズ(株)とローコード開発プラットフォーム「WebPerformer」を活用した開発要件拡大と受注支援、資格取得技術者の育成を目的として資本業務提携を行った。2022年7月には、さくら情報システム(株)と金融・決済、公共・エネルギー業界向けやITインフラなどの協業領域の拡大、ナレッジ共有、案件対応力の強化を目的として業務提携を行った。同年9月には三井住友カード(株)とSAP Concur・法人カードの導入を通じ、企業のさらなる経費精算業務効率化ニーズに応えるために業務提携を行った。

(2) 物流ビジネスの拡大
ネットショッピングの利用拡大により、物流倉庫の先進化ニーズが拡大している。これを受けて、顧客に対し、倉庫管理システム「SmartWMS」の導入を推進している。倉庫内の一連の作業のペーパーレス化やロボットとの連携による省人化のほか、高度な分析機能による生産性の向上や倉庫内の人員の最適化など「課題の見える化」にも貢献している。

(3) AIビジネスの拡大
同社の業種別AIソリューション「Work AI」において、1)ビジネスシーンのトークを数値・グラフで定量的に見える化する「Speak Analyzer」、2)過去の見積実績データを機械学習し概算見積を算出する「Es Prophetter」、3)チャットポットにテキスト入力するだけで求める情報をすぐに引き出せる「Chat Document」などラインナップを拡充することでAIビジネスを拡大する。

(4) ニアショア開発の拡大
同社は、持ち帰り案件(作業場所が問われない案件)を受注し、ニアショアでの開発体制を拡大している。現在は長崎を拠点にニアショア開発を進めており、2024年9月期には長崎開発センターにおいて100名体制を目指すとともに、金融系マイグレーション案件の受注拡大を目指す。同社は長崎大学、長崎県立大学をはじめとする地元の大学の新卒者やUターン、Iターン希望者など地元志向が強い優秀な技術者の採用を進め、安全なリモート環境を構築して、従来の人材派遣や人材常駐の受注体制からニアショアを活用したリモート開発体制への移行を推進している。同センターは「ブリッジSE」と呼ばれる顧客のシステム開発を熟知した社員を配置し、東京の本社とWeb会議やチャット、メール、電話で連絡を取り合いながら同センターの社員へシステム開発の指示を行う。同社はニアショア開発の拡大のため、マイグレーション案件及びITアウトソーシング案件の開拓を行い、受注強化策を推進している。

(5) 事業基盤の確立
同社において事業基盤を確立するサービスラインは「業務系システム開発」「基盤構築」「コネクテッド開発」である。「業務系システム開発」では業務知識の蓄積とハイスキル技術者の育成により金融分野の売上を拡大するほか、外部企業との協業により、物流分野の開拓を進めている。また、システムの保守開発・運用業務等の契約の長期化によるストック売上の拡大や業務提携企業との協業により、新しいプロジェクトを進めている。「基盤構築」では「業務系システム開発」と連携して双方の契約を受注し、クラウドサービス関連案件の受注拡大を図っている。「コネクテッド開発」では、自動車、医療機器分野に加えて、IoT・ICT向けのコネクテッド技術を強化している。このほか、「課題解決型人材育成」「コアパートナーとの連携強化」についても事業基盤の確立の一環として取り組みを進めている。

a) 課題解決型人材育成
同社は、課題解決型人材を育成するため、人材教育・技術教育・コンプライアンス教育の3領域で社員教育を展開している。人材教育においては、マネジメント力・業務遂行力の2種類の研修を行っており、新入社員・担当職・リーダー職・管理職・上級管理職・経営管理職の6段階のポジション別に課題が振り分けられている。

担当職の人材教育領域では、次期リーダー育成研修、オーナーシップ・フォロワーシップ研修、提案力向上研修の社外研修とトレーナー研修、業務遂行力向上研修の社内研修を、技術教育領域では、特定技術研修、システムスキル研修、ビジネススキル研修の社外研修とPJ管理研修、有識者育成教育の社内研修を、コンプライアンス教育領域では、コンプライアンス研修の社内研修をそれぞれ実施している。このほか新入社員のOJTによる早期戦力化、SEの育成、提案力の向上に関する社員教育を絶えず検討し、実施している。

b) コアパートナーとの連携強化
同社は、戦略を共有し、継続的かつ安定的な取り引きができる中核的なビジネスパートナーを認定し、相互の連携を強化する制度として「コアパートナー制度」を設置している。コアパートナーにはプロジェクトの優先発注、技術力・モチベーションの向上支援、同社の新卒者研修への参画、若手・新人を含めた体制の受け入れなどインセンティブがあり、両社の発展及び共存共栄の実現を目標にしている。2023年9月期は、パートナー比率※1で前期比10pt増の46%コア率※2前期比13pt増の60%を目指しており、将来的にはコア率を70%まで引き上げることを目標としている。

※1 パートナー数÷(パートナー数+社員数)
※2 コアパートナー要員数÷全パートナー要員数

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

《SO》

 提供:フィスコ

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