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4768 大塚商会

東証P
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22:23 11/21
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時価総額 13,756億円
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SBSHD Research Memo(2):3PLと自社開発した独自ビジネスモデルとM&A戦略により成長を続ける


■会社概要

1. 会社沿革
SBSホールディングス<2384>は1987年、首都圏で「即日配送」という当時にはなかった配送システムを提供するユニークな会社として、現代表取締役社長の鎌田正彦(かまたまさひこ)氏によって設立された。2003年には日本証券業協会に株式を店頭登録し、財務基盤を強化したうえでM&A戦略を積極化し業容を拡大していく。2004年に雪印物流(株)(現 SBSフレック(株))、2005年に東急ロジスティック(株)(現 SBSロジコム(株))、2006年に(株)全通(現 SBSゼンツウ(株))など大手物流企業を相次いでグループ化し、2006年12月期の売上高は1,426億円とわずか3年で7倍強の急成長を遂げた。

物流事業を拡大するとともに、3PL事業※拡大・強化のため物流施設の開発及びその流動化事業も2004年に開始している。流動化スキームを用いることで資金効率を高めながら、成長を加速していくという同社独自のビジネスモデルを確立し、今もなお成長の原動力になっている。2011年以降はアジアへの進出を開始し、2014年にインドの大手国際物流企業Transpole Logistics Pvt. Ltd.をM&Aでグループ化した。しかし、その後の中国経済の減速や新興国経済の低迷、フォワーダー間の価格競争激化等により同子会社の収益が急速に悪化し、今後の再建は困難と判断し事業売却を迅速に決断した。2015年12月期に100億円を超える特別損失を計上し、国際物流事業は一旦、縮小する格好となった。

※同社の3PL事業の定義は、荷主より直接受託し、3年以上にわたって一連の(複数の)業務を一括して請け負っている案件を指す。


直近では2018年8月にリコーロジスティクス、2020年11月に東芝ロジスティクスと相次いで大型M&Aを実施したことにより事業規模も一段と拡大した。また、これら2社を子会社化したことで海外拠点も拡充しており、今後はこれらリソースを生かしながら、国際物流事業を再度拡大していく戦略となっている。

2. 事業内容
同社の事業セグメントは物流事業、不動産事業、その他事業の3つのセグメントで構成されている。物流事業が売上高の9割強、営業利益でも過半を占める主力事業となっており、特に2021年12月期よりSBS東芝ロジスティクスが加わったことで、物流事業の構成比が70%弱の水準まで上昇している。不動産事業については、保有物流施設の流動化のタイミングや規模によって利益変動が大きくなる可能性がある。事業セグメント別の概要は以下のとおり。

(1) 物流事業
2022年12月期における物流事業の売上構成比を物流種別で見ると、一般物流が72%、食品物流が20%、宅配が8%の構成となっている。また、会社別の売上構成比(全社売上比)で見ると、SBS東芝ロジスティクスが28%ともっとも大きく、次いでリコー<7752>製品や大塚商会<4768>の「たのめーる」(オフィス用品通販)の物流・3PLを手掛けるSBSリコーロジスティクスが24%となり、2社で売上高の過半を占めている。次いでEC物流や小売業のような多品種小ロットを取り扱う3PLを強みとするSBSロジコムが19%、食品物流・低温物流を主力とするSBSフレックが10%、個人・企業間や個人向けの即日配送を行うSBS即配サポート(株)が8%、個人宅配(生協)、農産品物流などを行うSBSゼンツウが5%となっており、そのほか2021年末に子会社化したSBS古河物流(株)などが続いている。営業エリアはSBS東芝ロジスティクスとSBSリコーロジスティクス、SBSフレック、SBS古河物流が全国に展開しており、SBS即配サポートは首都圏、その他グループ会社は関東、関西、中部を中心とした主要都市圏で展開している。

同社は2023年12月期よりスタートした中期経営計画における成長戦略として、3PL、EC物流、国際物流の3事業を強化していく方針を打ち出している。これら3事業の売上構成比について見ると、2023年12月期第2四半期累計期間では、3PLが58%※、EC物流と国際物流は物流事業のうちそれぞれ15%程度とみられる。

※3PLは契約種類別の売上構成比となるため、そのなかにはEC物流や国際物流が含まれるケースがある。


(2) 不動産事業
不動産事業では、自社グループにおける3PL事業を展開していくための物流施設を開発、流動化することによって設備投資資金を早期に回収し、新たな物流施設の開発資金に回していくといった成長戦略を推進している。この不動産流動化によって得られる収益のほか、従来から保有しているオフィスビルやマンションなどの賃料収入、及び自社のオペレーションが入らず賃料のみを収受している物流施設からの収入などが含まれている。

同社の不動産流動化のビジネスモデルは、低リスク高収益であることが特長となっている。新たな物流施設の開発にあたっては、物流事業者固有のライセンスを活用するとともに専門性を有するアセットマネジメントチームによる企画を通じ開発費用を抑えることができ、価格競争力のある賃料を実現している。このため、景気低迷などで荷量が減少しても高い賃料の倉庫からの業務が入ってくるため、稼働率を落とすことなく運営を継続できる。また、テナント企業が5割程度決定してから着工することを原則としているため、顧客を想定して作り込みを行えることも、過剰な機能を排することができコストを抑えられる要因である。自社の3PL拠点として稼働率をほぼ100%とし、事業用不動産としての価値を高めたうえで売却し、セールス&リースバックにより継続して使用するため、買い手側も安定した収益性を確保できWin-Winの関係を構築している。

(3) その他事業
その他事業は、売上高の5割強を倉庫内の軽作業派遣を中心とした人材事業が占め、次いでマーケティング事業(ペットフードの通販サイト運営、EC支援サービス等)が2割強、残りを太陽光発電事業、リサイクル・環境事業、保険事業等が占めている。太陽光発電事業に関しては、自社の物流センターや事業所の屋上等に太陽光パネルを設置しており、2022年12月期末時点の発電能力は合計で約13MWとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SO》

 提供:フィスコ

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