はてな Research Memo(6):自己資本比率は80%以上で安定推移、無借金経営で財務内容は良好
■はてな<3930>の業績動向
3.財務状況と経営指標
2023年7月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比92百万円減少の2,881百万円となった。主な増減要因としては、流動資産において売掛金及び契約資産が98百万円増加した一方で、現金及び預金220百万円の減少が挙げられる。また、固定資産では東京オフィスの一部フロア返却に伴い有形固定資産が15百万円、敷金及び保証金が17百万円それぞれ減少した一方で、投資有価証券が34百万円増加した。
負債合計は前期末比136百万円減少の392百万円となった。主に未払費用が46百万円、未払法人税等が25百万円、契約負債が20百万円、預り金が20百万円減少した。また、純資産は同43百万円増加の2,488百万円となった。新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ10百万円増加したほか、当期純利益99百万円を計上した一方で、自己株式が62百万円増加(減少要因)した。
経営指標を見ると、自己資本比率は86.4%と引き続き80%以上の水準を維持し、無借金経営を続けていること、現金及び預金も1,482百万円と月平均売上高の5.6ヶ月分を有するなど資金流動性も十分確保されていることから、財務内容は良好な状態にあると判断される。一方、収益性について見ると、売上高営業利益率、ROA、ROEともに4~6%と2期ぶりに低下した。成長に向けた先行投資を実施したことや、売上高が伸び悩んだことが主因となっている。2024年7月期も先行投資を継続していく方針であり、その効果が顕在化するのは2025年7月期以降となる見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ