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2264 森永乳業

東証P
2,966.5円
前日比
-17.5
-0.59%
PTS
2,956円
20:37 12/12
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.8 0.88 3.03 11.24
時価総額 2,642億円
比較される銘柄
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「免疫力アップ」関連で難局打破!インフル+コロナW流行で活躍の秋 <株探トップ特集>


―警戒感高まる感染急拡大、シーズン前流行で発酵食品などに再び熱視線も―

  インフルエンザが急速に感染拡大をみせている。本来ならば冬季に流行シーズンを迎える感染症だが、今回はいつもと事情が違う。今秋は新型コロナウイルスとの同時流行が懸念されており、人流が回復するなか個人での体調管理が求められる状況だ。ワクチン接種はもちろんのことだが、免疫力を高めることで感染症への予防にもつながる。2020年の新型コロナ感染拡大当初には、免疫力をサポートするといわれる発酵食品などに株式市場でも熱い視線が向かった経緯がある。改めて、関連株のいまを追った。

●9月としては異例の「流行注意報」

 東京都は先月21日、9月としては異例といえるインフルエンザの「流行注意報」を発表した。インフルエンザは、例年12月から3月にかけて感染拡大がみられるだけに、秋口での発表は危機感の表れともいえる。小池百合子東京都知事も、翌日22日の記者会見で「インフルエンザ(の感染者)がかなり増えてきている」とし、「今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性が高い」ことを示唆していた。また、同感染症に加え、ダブル流行が懸念される、新型コロナへの感染予防も呼び掛けている。

 季節外れのインフルエンザの流行だが、その原因としてはコロナ禍でマスクの着用や手洗いの慣行が求められ、こうした感染対策が効果を発揮しここ数年は感染者数が非常に少なかった。ただ、そのことがインフルエンザへの集団免疫力を低下させることになったともいわれている。そこに、新型コロナ感染症の感染症法上の位置づけが2類相当から5類に移行したことで、国内外の人流が一気に回復、インフルエンザの流行を加速させたようだ。

 同時流行が懸念されるなか、感染防止への関心が再び集まっている。インフルエンザ、新型コロナともにワクチン接種は感染予防に効果があるのはもちろんだが、体内の免疫力がアップすることでも、感染に対する抵抗力を高める。キリンホールディングス <2503> [東証P]をはじめ、大手食品メーカーも免疫ケア分野に参入しており、数多くの製品を展開する状況だ。振り返れば、国内で感染が広がり始めた20年の春には、免疫力を高めるといわれる食品に関心が集まり、キムチや納豆をはじめとした発酵食品が品薄になるという事態も発生した。

●ピックルス、新工場建設で攻勢

 こうしたなか当時株式市場で注目されたのが、看板商品「ご飯がススムキムチ」などを手掛けるピックルスホールディングス <2935> [東証P](昨年9月に持ち株会社化。当時はピックルスコーポレーション)だった。新型コロナの影響による外出自粛が続いたことで家庭での食事の機会が増えたことや、健康志向の高まりにより乳酸菌を含む食品としてキムチの需要が増えたこと、更にキムチがテレビ番組などで取り上げられたことも売り上げにつながり業績を押し上げた。株価は、思惑高に好業績も評価される格好で急上昇。20年3月には900円近辺だった株価が、21年9月には2277円まで買われ、おおよそ1年半で2.5倍化した。

 そのピックルスだが、先月29日取引終了後に24年2月期の上期(3~8月)連結決算を発表。売上高は231億1100万円、営業利益は12億8000万円だった。持ち株会社化前の前年同期と比べ8.5%増収、9.3%増益となり、実質増収増益で着地。巣ごもり需要の反動減の影響が落ち着いたことや、コンビニ向けが好調だった。あわせて、茨城県に新工場を建設することを発表。製造工程の更なる機械化に向け、キムチ製品の製造に特化した専用工場を立ち上げる。工場の引き渡しは24年12月を予定しており、攻勢を強める構えだ。

●ヨーグルトで明治HD、森永乳など

 新型コロナの感染拡大当初には、発酵食品の代名詞ともいえるヨーグルトにも熱い視線が注がれた。そのなか明治ホールディングス <2269> [東証P]は、「明治ブルガリアヨーグルト」「明治プロビオヨーグルトLG21」「明治プロビオヨーグルトR-1」など多くのブランドを手掛けるが、きょう3日からはR-1乳酸菌EPSを通常品の2倍配合した「明治プロビオヨーグルトR-1ドリンクタイプThe GOLD(金のR-1)」を発売。「ここぞ!という大切な時のための体調管理のサポート」を謳っており、感染症が拡大するなか消費者のニーズを捉えそうだ。8月8日に発表した24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算で、営業利益は前年同期比8.1%増の194億9700万円となった。上期計画に対する進捗率は約61%と好発進。株価は年初来高値圏でもみ合うが、異例の速さで感染拡大シーズンを迎えるなか、ここからの活躍場面もありそうだ。

 また、森永乳業 <2264> [東証P]は大腸まで届く「ビフィズス菌BB536」を配合したさまざまなヨーグルト製品を手掛ける。先月7日には、「ビフィズス菌BB536」について、ブラジル国家衛生監督庁から同国で販売するサプリメントや食品に使用するための承認を取得したと発表しており、グローバル展開での「菌体事業の拡大」期待が膨らむ。24年3月期通期の連結営業利益は、前期比16.5%減の200億円を計画。ただ、第1四半期(4~6月)の同利益は前年同期比53.3%増の96億4500万円と、上期計画132億円に対する進捗率は73%に達している。

●カゴメはトマトで免疫力アップ

 トマトジュースを筆頭に野菜ジュースなどでも人気が高いカゴメ <2811> [東証P]だが、トマトには免疫力アップが期待されるリコピンなどの栄養素が非常に多く含まれている。また、野菜は腸内環境を整えることで免疫力の向上を促すといわれており、これらを手軽に摂取できる同社製品への需要を喚起するかもしれない。

 国内での感染が広がり始めた20年の春には、「キノコ」も免疫力向上につながるとのイメージが広がり購買意欲を刺激。店頭では、一時品薄状態と伝わった。この分野では、キノコ生産量でトップクラスのホクト <1379> [東証P]や雪国まいたけ <1375> [東証P]が挙げられる。特にこれからは鍋物が盛んになる季節を迎え、キノコを口にする機会が増える。寒い季節に鍋料理で体を温め、そして免疫力アップで言うことなし。両銘柄ともに株価は低迷するが、そろそろ“うまい”季節に入る可能性も。

●「よく寝て」免疫力アップへ

 最近では、睡眠の質を高めることで、免疫力がアップすることも知られている。単に長時間の睡眠が良いわけではなく、「良い睡眠」をとることが重要だ。ここ数年、さまざまな業種の企業が「睡眠ビジネス」に参入。免疫力アップ関連の一角として取り上げてみたい。

 「ストレスの緩和」「睡眠の質向上」などを求める人々のニーズを捉えたのがヤクルト本社 <2267> [東証P]の「Yakult(ヤクルト)1000」だった。昨年には、同製品が爆発的人気を呼び品薄状態となったことは記憶に新しい。現在は、生産体制を強化し安定供給に向けた対応を続けている。株価も急上昇。22年年初には3000円近辺だったものが、今年5月には5215円まで買われている。24年3月期の連結業績予想は、営業利益段階で前期比14.3%増の755億円と最高益更新を計画するが、株価は5月中旬以降、一貫して下落。現在は3600円近辺で下値模索の展開が続くが、調整一巡感からの反転攻勢に出るか注視したいところだ。

 そのほかでは、機能性表示食品「わたしのチカラQ10ヨーグルト」シリーズを展開し、「睡眠の質の向上」「起床時の疲労感の軽減」「一過性のストレスの軽減」など3つの機能で毎日をサポートするカネカ <4118> [東証P]、スリープテックで質の高い睡眠を目指すフランスベッドホールディングス <7840> [東証P]などにも要注目だ。

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