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米国株式市場見通し:リスク警戒感が台頭


 

来週は、政府機関閉鎖や自動車労働組合(UAW)のスト長期化の可能性がリスクになるだろう。週末の交渉で合意にいたらなければ、米国政府機関の一部は閉鎖されることになる。直前に合意されたとしても、来週の経済指標発表などに影響をもたらす可能性があり、警戒だ。

政府機関が通常通り機能した場合、11月の連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策決定に重要な材料となる雇用統計の結果に注目だ。9月雇用統計では失業率が3.7%に低下、非農業部門の雇用者数は17万人増と、前回の18.7万人増から伸びが鈍化する見通しとなっている。雇用者数は減速傾向にあるものの失業率は依然歴史的にも低い水準を維持する可能性が強く、予想通りの結果は年内あと1回の追加利上げを正当化するだろう。ただ、政府機関閉鎖に強いられた場合は、民間が発表するISMやADP雇用統計を除き、雇用統計や新規失業保険申請件数などの発表が延期される可能性があり、リスク要因だ。金融政策にも影響を与えかねないだろう。格付け会社による格下げに伴うトリプル安にもつながりかねず警戒だ。

第4四半期入りで、10月効果、オクトーバー・エフェクトという金融市場のアノマリーのひとつで「10月は株式が下落しやすい」と警戒し、投資家は買いに慎重になるだろう。大恐慌が1929年10月、ブラックマンデーが1987年10月に起きたことが発端。ただ、統計的には10月よりも9月が下げ相場となる傾向が多く、慎重な押し目買いの好機となりそうだ。

今年は、10年債利回りが2007年来の高水準付近で推移しているほか、原油価格も再び100ドルを目指す勢いで上昇しており、FRBが想定以上に高い水準にまでに金利を引き上げ、長期にわたり維持する可能性など相場に対するマイナス材料が重なるため、投資家は例年に比べてより神経質になるだろう。銀行のJPモルガンのダイモンCEOは顧客に政策金利が7%まで上昇する可能性にも備えるよう警告したと報じられている。

また、UAWのストが拡大されたが、長期化するリスクがある。政府機関閉鎖により空港職員不足などで旅行需要も落ち込む可能性があり景気にマイナスだ。また、学生ローン返済が10月から再開する予定で消費に影響、スタグフレーションリスクも浮上する可能性がありそうだ。経済や金融市場にマイナスとなる材料が多々くすぶっており、投資家の恐怖心が台頭し、手仕舞い売りが上値を抑制するだろう。

経済指標では、9月製造業PMI、8月建設支出、9月ISM製造業景況指数(2日)、8月JOLT求人(3日)、9月ADP雇用統計、9月サービス業PMI、8月製造業受注、8月耐久財受注、9月ISM非製造業景況指数(4日)、8月貿易収支、週次失業保険申請件数(5日)、9月雇用統計(6日)、などが予定されている。

主要企業決算では、調味料メーカーのマコーミック(3日)、大麻・製品メーカーのティルレイ・ブランズ(4日)ビール、ワインなどの蒸留酒製造・販売のコンステレーション・ブランズや加工食品メーカーのコナグラ・ブランズ、衣料品メーカーのリーバイ・ストラウス(5日)、などが予定されている。

リーバイ・ストラウスは小売りの中で最も早い決算発表となるため、傾向を確認したい。すでに売り上げ減を警告しているため、見通しに警戒だ。コンステレーション・ブランズは、競合のアンハイザー・ブッシュ・インべブがソーシャルメディア広告の失敗で販売が激減しており、恩恵を受けることになりそうだ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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