貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価15分ディレイ → リアルタイムに変更

4060 rakumo

東証G
929円
前日比
-36
-3.73%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
22.2 3.52 0.65 120
時価総額 53.7億円
比較される銘柄
テラスカイ, 
サイエンスA, 
i3

銘柄ニュース

戻る
 

rakumo Research Memo(2):様々な規模、業種の企業向けにSaaSプロダクトを提供するIT企業


■会社概要

1. 会社概要
rakumo<4060>は東京都千代田区に本社を置く企業向けSaaSプロダクトの提供や、ベトナムを拠点としたITオフショア開発などを行うIT企業である。GoogleやSalesforceといった世界的なクラウドプレイヤーとの強固なパートナーシップを背景に、主力のSaaSプロダクトである「rakumo」シリーズの販売拡大を進めている。売上の基盤は国内であり、業種や規模を問わず、多種多様な2,300社以上(2022年12月末時点)のクライアントにサービスを提供している。

なお、会社名やサービス名にもなっている「rakumo」とは、ユーザーがサービスをより楽に利用するための「楽(らく)」とユーザーがサービスをクラウド上で利用するための「雲(くも)」を掛け合わせたものである。また、同社のビジョンは「仕事をラクに。オモシロく。」であり、企業の業務の生産性向上に貢献するサービスを提供すべく事業展開を行なっている。

2. 沿革
同社は2004年、現 代表取締役社長CEO兼COOである御手洗大祐(みたらいだいすけ)氏が前身の株式会社日本技芸を設立したことに始まる。設立当初は受託業務やインターネットコンサルティングなどの事業を中心にサービスを展開していたが、2008年の世界的な金融危機をきっかけにクラウド技術を活用した新しい事業へと業態転換を図り、2010年4月から現在の主力プロダクトである「rakumoカレンダー」、同年8月には「rakumoコンタクト」のサービス提供を開始した。その後も「rakumoワークフロー」、「rakumoボード」、「rakumoケイヒ」、「rakumoキンタイ」など様々なプロダクトを開発し、その利便性や導入のし易さ、コロナ禍を背景にしたリモートワーク需要の高まりなどからライセンス数は100万超(2022年6月末時点)と順調に拡大する一方、解約率は1%未満(2022年12月期で0.67%)の超低水準を維持している。2020年9月に東証マザーズ市場へ株式を上場し、2022年4月の同市場区分見直しに伴いグロース市場へ移行した。

また、同社は既存領域の売上成長のみならず、ビジネス領域の拡大も積極的に検討しており、2022年6月30日付けで社内SNS型日報アプリ「gamba!(ガンバ)」をサブスクリプション型リカーリング収益モデルで提供している(株)gambaの全株式を取得し連結子会社とした。さらに、2023年7月1日付けでIR動画や会社紹介・サービス紹介動画を中心とした映像制作・配信事業を手掛けるアイヴィジョンの全株式を取得し連結子会社化するなど、今後も他社サービスの連携強化、M&Aの実行による事業拡大を目指している。なお、gambaの2021年10月期の売上高は103百万円、営業利益は12百万円、株式取得価格は90百万円、アイヴィジョンの2022年6月期の売上高は136百万円、営業利益は68百万円、株式取得価格は447百万円となっている。

3. 事業内容
同社の2022年12月期におけるサービス別売上高構成比をみると、主力のSaaSサービスが87.6%、ソリューションサービスが4.4%、ITオフショア開発サービスが7.9%となっている。ITオフショア開発サービスにおいては、連結子会社であるRAKUMO COMPANY LIMITED (ベトナム)を拠点として、クライアント企業からの「ラボ型」システム開発受託を行なっている。これはクライアントごとに特定のエンジニアを確保し、専属チームを組成の上、一定期間継続的に開発業務を行うもので、チームメンバーが固定されていることから企業独自のノウハウ蓄積も可能となる。同事業は中長期での契約となる場合が多く、主力のSaaSサービス同様にクライアントの業務に組み込まれることにより安定的な収益を生み出せる構図となっている。なお、同社によればITオフショア事業とライセンス事業との関連性を高める施策を重点的に進めている状況とのことである。また、ソリューションサービスにおいては、同社および他社SaaSサービスの導入支援(前システムからの移行作業や導入時の初期設定作業、操作説明等)、他社ハードウェアの販売等を行なっている。

4. 経営陣、株主構成
同社創業者である代表取締役社長CEO兼COOである御手洗氏は、横浜国立大学を卒業後、日本電信電話株式会社(NTT)へ入社し、1999年9月にウェブメディアサービス事業を手掛けるバックテクノロジーズ(株)を設立した(その後、米国企業へ売却)。その後、2004年に同社の前身となる日本技芸を創業した。御手洗氏は、同社のベトナム連結子会社の会長を兼任している。

同社の取締役は社内3名、社外1名の合計4名で構成されており、社内取締役は代表取締役社長CEO兼COOである御手洗大祐氏、取締役CFOの西村雄也(にしむらゆうや)氏、取締役CTOの石田和也(いしだかずや)氏となる。西村氏は2005年4月に新卒で(株)三井住友銀行へ入行、野村證券(株)の投資銀行部門を経て2018年9月に同社の経営管理部長として参画、2019年4月に取締役CFOに就任した。西村氏は2020年9月の株式上場の2年前に同社へ入社し、各種組織設計を含めて上場準備から上場時及び上場後の資金調達、M&Aや事業戦略・事業提携、上場後の投資家向けIR活動など幅広く担ってきた。一方、石田氏は2005年4月に(株)アイ・デザイン・システムズ(現(株)ディー・ビー・アイ)に入社、2010年4月に同社へ参画した。石田氏はプロダクト開発における豊富な知識と経験を有しており、同社入社以来、プロダクト部門を牽引、2022年3月に取締役CTOプロダクト部長に就任した。

2023年6月末時点での大株主は、御手洗氏が個人で発行済株式数の17.29%、資産管理会社である(株)創世が同氏の間接保有として6.39%(合計23.68%)と筆頭株主になっている。これに続き同社の元取締役CTOである田近泰治氏が9.14%を、ベンチャーキャピタルのアイ・マーキュリーキャピタル(株)が6.43%を保有している。その他は保有割合5%未満、外国人株式保有比率は10%未満である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)

《SO》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均