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インカム戦略の前に、デイトレ&スイングで10倍、グロース&優待で10倍
すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 コユケナードさんの場合-最終回
第1回記事「『1粒で2度おいしい戦略』で億り人、学歴劣等感をバネに飛躍」を読む
配当収入と株主優待で十分暮らせるようになりたい。今回登場のコユケナードさん(ハンドルネーム)は、その思いを胸に、100万円を元手に株式投資を始めた。
目標の達成に欠かせないのが、億を超える資産を作り上げること。利回りが数%台の配当や株主優待で生活できるようにするには、億り人にならなければ100万円以上の配当収入は得られないからだ。
2006年、大学生の時に投資を始めたコユケナードさんが1億円に達したのは30歳になった2018年頃。30代早々にして目標としていた億の資産を手にすることができた。
億り人昇格の原動力になったのは、最終的な目標としているゆったりインカムゲインを稼ぐのとは対極にあるデイトレードや短期のスイングトレード、そしてグロース株に挑んでいたことがある。その過程では、下の図に見るように、"資産テンバガー"を2度経験している。
今回はこの2度の資産テンバガーの軌跡を振り返っていく。
■100万円から1億円に増やすまでの主なステップ
デイトレや短期スイングでは値動きの要因を記録、相場感覚を磨くことに集中
最初にデイトレや短期のスイングトレードに取り組んだのは、100万円の元手をできるだけ速く増やしたいと考えたからだ。
主に投資対象としたのは、ボラティリティ(株価の変動率)の高い銘柄だ。その中で大きな成功を収めたのが、創薬ベンチャーのデ・ウエスタン・セラピテクス研究所<4576>とオンコリスバイオファーマ<4588>、投資関連の事業などを手掛けていたユナイテッド<2497>になる。
デイトレでは2%くらい上昇したら利確をする形で、コツコツとリターンを積み上げた。成功を後押ししたポイントは、ノートに日々の銘柄の値動き、株価が上下した要因などを記録したことだ。
この積み重ねで、どの銘柄をどのようなタイミングで買い、どのような状況になったら売ればいいのかという相場感覚が養われ、投資判断の精度が高まっていったという。ただ、本人にとっては、稼ぐことに必死で、投資を楽しむ余裕はあまり持てなかったようだ。
短期から長期に重心をシフト
次の飛躍が、1000万円から1億円に増えた5年間だ。キャピタルゲイン狙いは変わらないが、ボラ狙いの短期売買から、グロース株の長期投資に重心をシフトしたことが奏功した。
投資手法を転換したのは、資産が増えたことでリターン幅が多くなり、長期運用でも一定の資産増を見込みやすくなったことがある。そして、短期売買を続けることにメンタルが疲弊していたこともある。
ボラの大きい銘柄に投資していたので、「取引額が大きくなると評価損益の幅も広がりストレスは大きくなっていた」(本人)
一方で、監視銘柄の動きをノートに記録する習慣は、長期投資で大化け株をつかむのに役立ち、ストレス解消につながった。
銘柄選びにおけるキーワードは「共感」「応援」
グロース株狙いで軸としたのは、企業の経営戦略やトップの姿勢をヒントに、長期的な成長に期待が持てるのかを吟味することだ。決算資料のチェックはもちろん、ときには株主総会に参加し、経営者の振る舞いも判断材料とした。
定量面における選別基準は設けていない。業績の推移なども参考程度だ。同業他社との比較分析もほとんど行わない。今後の成長戦略に「共感できる」「応援したい」とシンプルに思えるかを重視する。
これらの要素はノートに記録、値動きやニュースのみならず、経営理念などの基本情報も書き込んだ。ストーリーを追っていくうちに、成長のイメージをつかめるようになっていたという。
この際に、意識していたのが、長期保有するモチベーションを保つこと。株主優待はその大きな要素として注目していた。
RIZAPで1000万円のリターン
このグロース戦略で最大のリターンを得たのがRIZAPグループ<2928>だ。
2012年に、当時としては日本株資産の約20%の200万円を投じ、6年後の18年後半に株式の大部分を売却して獲得したキャピタルゲインは1000万円以上になった。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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編集・構成/真弓重孝、取材/高山英聖(株探編集部)
■コユケナードさん(30代・男性・兼業投資家)のプロフィール:
大学1年生の時に将来に備えるため元手100万円から株式投資を始める。目標はFIRE(経済的自立と早期リタイア)。倹約に努めて元本を追加しながら、キャピタルゲイン重視の中長期投資をメーンに30歳で1億円を達成する。この時期から投資スタイルをインカムゲイン重視に切り替えている。画像は、外食チェーンのフジオフードグループ本社の株主優待で受け取ったデザート。IT企業で働く3児の父親。「株探-個人投資家大調査-2023春」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
大学1年生の時に将来に備えるため元手100万円から株式投資を始める。目標はFIRE(経済的自立と早期リタイア)。倹約に努めて元本を追加しながら、キャピタルゲイン重視の中長期投資をメーンに30歳で1億円を達成する。この時期から投資スタイルをインカムゲイン重視に切り替えている。画像は、外食チェーンのフジオフードグループ本社の株主優待で受け取ったデザート。IT企業で働く3児の父親。「株探-個人投資家大調査-2023春」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
第1回記事「『1粒で2度おいしい戦略』で億り人、学歴劣等感をバネに飛躍」を読む
配当収入と株主優待で十分暮らせるようになりたい。今回登場のコユケナードさん(ハンドルネーム)は、その思いを胸に、100万円を元手に株式投資を始めた。
目標の達成に欠かせないのが、億を超える資産を作り上げること。利回りが数%台の配当や株主優待で生活できるようにするには、億り人にならなければ100万円以上の配当収入は得られないからだ。
2006年、大学生の時に投資を始めたコユケナードさんが1億円に達したのは30歳になった2018年頃。30代早々にして目標としていた億の資産を手にすることができた。
億り人昇格の原動力になったのは、最終的な目標としているゆったりインカムゲインを稼ぐのとは対極にあるデイトレードや短期のスイングトレード、そしてグロース株に挑んでいたことがある。その過程では、下の図に見るように、"資産テンバガー"を2度経験している。
今回はこの2度の資産テンバガーの軌跡を振り返っていく。
■100万円から1億円に増やすまでの主なステップ
デイトレや短期スイングでは値動きの要因を記録、相場感覚を磨くことに集中
最初にデイトレや短期のスイングトレードに取り組んだのは、100万円の元手をできるだけ速く増やしたいと考えたからだ。
主に投資対象としたのは、ボラティリティ(株価の変動率)の高い銘柄だ。その中で大きな成功を収めたのが、創薬ベンチャーのデ・ウエスタン・セラピテクス研究所<4576>とオンコリスバイオファーマ<4588>、投資関連の事業などを手掛けていたユナイテッド<2497>になる。
デイトレでは2%くらい上昇したら利確をする形で、コツコツとリターンを積み上げた。成功を後押ししたポイントは、ノートに日々の銘柄の値動き、株価が上下した要因などを記録したことだ。
この積み重ねで、どの銘柄をどのようなタイミングで買い、どのような状況になったら売ればいいのかという相場感覚が養われ、投資判断の精度が高まっていったという。ただ、本人にとっては、稼ぐことに必死で、投資を楽しむ余裕はあまり持てなかったようだ。
短期から長期に重心をシフト
次の飛躍が、1000万円から1億円に増えた5年間だ。キャピタルゲイン狙いは変わらないが、ボラ狙いの短期売買から、グロース株の長期投資に重心をシフトしたことが奏功した。
投資手法を転換したのは、資産が増えたことでリターン幅が多くなり、長期運用でも一定の資産増を見込みやすくなったことがある。そして、短期売買を続けることにメンタルが疲弊していたこともある。
ボラの大きい銘柄に投資していたので、「取引額が大きくなると評価損益の幅も広がりストレスは大きくなっていた」(本人)
一方で、監視銘柄の動きをノートに記録する習慣は、長期投資で大化け株をつかむのに役立ち、ストレス解消につながった。
銘柄選びにおけるキーワードは「共感」「応援」
グロース株狙いで軸としたのは、企業の経営戦略やトップの姿勢をヒントに、長期的な成長に期待が持てるのかを吟味することだ。決算資料のチェックはもちろん、ときには株主総会に参加し、経営者の振る舞いも判断材料とした。
定量面における選別基準は設けていない。業績の推移なども参考程度だ。同業他社との比較分析もほとんど行わない。今後の成長戦略に「共感できる」「応援したい」とシンプルに思えるかを重視する。
これらの要素はノートに記録、値動きやニュースのみならず、経営理念などの基本情報も書き込んだ。ストーリーを追っていくうちに、成長のイメージをつかめるようになっていたという。
この際に、意識していたのが、長期保有するモチベーションを保つこと。株主優待はその大きな要素として注目していた。
RIZAPで1000万円のリターン
このグロース戦略で最大のリターンを得たのがRIZAPグループ<2928>だ。
2012年に、当時としては日本株資産の約20%の200万円を投じ、6年後の18年後半に株式の大部分を売却して獲得したキャピタルゲインは1000万円以上になった。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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