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明日の株式相場に向けて=「EV関連」新星爆誕の予兆

 きょう(5日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比97円高の3万3036円と続伸。前場はマイナス圏で推移していたが、朝安後は徐々に戻り足に転じ、後場取引後半から先物主導で買い戻し圧力が強まった。9月のメジャーSQ週は高いというアノマリーが水面下で作用しているのか、日経平均は静かに上昇に転じ、前日に続き2日連続の高値引けで念願の3万3000円大台復帰を果たした。これで7連騰となったが、サイコロジカルラインでは直近12営業日で実に11勝1敗。プライム市場の騰落レシオは123%と過熱ゾーンの境界ラインである120%を超えた。

 もっとも33年ぶりとなる高値圏をまい進するTOPIXと比較すれば、日経平均は7月3日のバブル崩壊後の高値3万3753円更新まではまだ遠い。それだけにTOPIXとの比較で戻り相場の伸びしろが大きいということにもなるが、好事魔多しということもあり、ここは前のめりにならず総論的には押し目を待つのが賢明。目先は米金利の上昇にスポットライトが当たっており、日米金利差拡大による円安進行が、足もとの原油高と相まって必ずしも株式市場にフレンドリーではなくなっていることに留意したい。

 とはいえ個別株物色の流れは健在であり、だんまりを決め込む場面でもない。アンテナを高くして機動的な売買を心掛けるところだ。目先は EV関連が動兆しきりである。今月2日の株探トップ特集「国策支援のEV関連6銘柄」で紹介されていたJMC<5704>をはじめ三櫻工業<6584>、三光合成<7888>などの上げ足はEVのテーマ性復活を如実に示している。トヨタ自動車<7203>は27~28年に全固体電池のEV搭載を計画するが、その実現性は非常に高いとみられ、EV周辺にも大きな変革の波が及ぶことになりそうだ。

 EV関連で新たに目を向けておくべき銘柄としては、まずフロイント産業<6312>を挙げておきたい。医薬業界向けを中心に錠剤やコーティングを行う装置を製造しているが、注目されるのは、同社の造粒や粉体技術が全固体電池向けで応用されていること。会社側では「現状は既存装置の転用で全固体電池向けとして既に使われているものもあるが、それとは別に全固体電池用の装置も漸次開発中の段階にある」という。EVバッテリー向けではバルク型固体電池が使われており、同社の製造装置に将来的に膨大な特需が発生する可能性がある。株価は新値圏にあるとはいえ、PBR0.8倍台で今2月期業績も営業55%増益と急回復が見込まれているだけに上値余地は大きそうだ。

 また、いすゞ系の自動車部品メーカーで、電動駆動システムの開発を進捗させているIJTT<7315>の株価も面白いポジションにある。EVシフトの動きにも抜かりなく対応、特にEVトラック向けで同社の技術開発力が生かされそうだ。PBR0.3倍台で、1倍台回復までの伸びしろは株価に換算して時価の約3倍となる。同じく自動車部品会社で日産系のヨロズ<7294>も見逃せない存在。自動車の足回り部品を手掛け、サスペンションのトップメーカーとしての実力は不変。EV用製品の品揃えも充実しており、同社もPBRは0.3倍台でIJTTと並ぶ超割安水準に放置されている。

 更に長野計器<7715>も押し目は強気に対処したい。株価は2007年7月以来約16年ぶりの高値圏にあるが、ここ数年来の収益成長が著しく時価予想PERは12倍台に過ぎない。半導体向けや水素ステーション向けの圧力計や圧力センサーで高い実績を有するが、中期戦略として冷却関連のセンサーを中心にEV関連の商品開発にも傾注する構えにある。新開発したセンサーがトヨタの燃料電池自動車「MIRAI」に採用された実績は評価される。このほか、小田原エンジニアリング<6149>の上げ足も要マークだ。同社はモーター用自動巻線器のトップメーカーで、自動車のエレクトロニクス武装が進むなか活躍の度合いを高めている。同商品はEV製造における必須商品だけに注目度が高く、既に米テスラ<TSLA>向けで受注を獲得し脚光を浴びた経緯がある。

 あすのスケジュールでは、8月の輸入車販売、8月の車名別新車販売、8月の軽自動車販売などがいずれも午前中に発表される予定。海外では、4~6月期豪国内総生産(GDP)、7月のユーロ圏小売売上高、ポーランド中銀の政策金利発表のほか、7月の米貿易統計、8月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)などにマーケットの関心が高い。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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