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2216 カンロ

東証S
3,215円
前日比
+25
+0.78%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
16.1 2.84 2.49 5.22
時価総額 492億円
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カンロ Research Memo(6):2023年12月期第2四半期は増収、利益面は前年同期比60%以上の大幅増益


■業績動向

1. 2023年12月期第2四半期の業績概要
カンロ<2216>の2023年12月期第2四半期の業績は、売上高が14,292百万円(前期比18.5%増)、営業利益が1,772百万円(同72.4%増)、経常利益が1,791百万円(同66.5%増)、四半期純利益は1,236百万円(同69.3%増)となり、各利益は前年同期比で60%以上の大幅増加となった。

(1) 業績概況
キャンディ市場において、飴カテゴリーは、人流が回復し、前期からのオミクロン株感染症拡大の影響や花粉飛散量の増加により、セルフケアの高まり等からのど飴を中心に前年同期比で増加している。飴の種別を見ると、のど飴及びZ世代向け商品を含むファンシーカテゴリーを中心に袋形態が増加するとともに、ウィズコロナへの本格移行に伴いスティック形態・コンパクトサイズ形態の需要も回復した。また、好調なグミカテゴリーの伸長は継続して前年同期比で大きく増加しており、キャンディ市場全体の伸びを牽引している。

同社の主力ブランド別では、ハードキャンディの売上では、「金のミルクキャンディ」が堅調に推移し、「ノンシュガーブランド」では、健康志向やのど飴需要の増加に伴い、「ノンシュガーのど飴」シリーズが前年同期より約3割増加した。「健康のど飴シリーズ」は一部の商品で再値上げを実施したにもかかわらず、テレビCMによるプロモーション実施により前年同期比で大幅に伸長した。グミの売上においては、「ピュレグミ」がテレビCMのプロモーションの実施により前年同期比で約3割増加した。「カンデミーナグミ」は前年同期比2ケタ増の堅実な成長を見せる一方で、「マロッシュ」は競争激化による伸び悩み等で前年同期より減少している。直営店舗・EC事業を展開する「ヒトツブカンロ」では、サステナブルブランド「ヒトツブカンロ earth」の雑貨類は伸び悩んでいるものの、「グミッツェル」は好調を継続しており、「KanroPOCKeT」でのEC販売も好調で前年同期比2ケタ増となった。素材菓子はコンビニエンスストアのPB化が進み、パッケージリニューアルを実施するも減少傾向が続いている。

利益面では、昨年9月から段階的に実施した価格改定に続き、3月より一部商品の価格改定及び内容量の変更を実施した。継続する原材料価格の上昇により変動費率は上昇したものの、販売数量増加と生産性の向上による限界利益の増加により、売上総利益は前年同期比11億47百万円(24.0%)増益の59億20百万円。営業利益はテレビCM実施による広告宣伝費の増加、人員増加等による人件費の増加に加え、事業活動拡大への施策経費を含む一般費の増加があったものの前年同期比7億44百万円(72.4%)増益の17億72百万円となった。

(2) カテゴリー別の売上高
2023年12月期第2四半期のカテゴリー別の売上高を見ると、ハードキャンディカテゴリーが7,346百万円(前年同期比18.0%増)、グミカテゴリーが6,652百万円(同20.7%増)となっており、ハードキャンディ及びグミは前年同期より引き続き、高い伸び率を見せている。

2. 財務状況
(1) 財務状況
資産においては、流動資産が前期末比1,289百万円増加の12,641百万円となった。固定資産は同15百万円増加の10,978百万円となった。この結果、資産合計は同1,305百万円増加の23,620百万円となった。これは主に現金及び預金が1,818百万円、商品及び製品が246百万円、有形固定資産が219百万円増加したが、売掛金が922百万円、繰延税金資産が238百万円減少したことによる。

負債においては、流動負債は前期末比328百万円増加の7,536百万円、固定負債は同47百万円減少の2,505百万円となり、この結果、負債合計は同281百万円増加の10,041百万円となった。これは主に短期借入金が500百万円、買掛金が260百万円、未払費用が209百万円増加したが、賞与引当金が452百万円減少したことによる。純資産合計は前期末比1,023百万円増加の13,578百万円となった。

(2) キャッシュ・フローの状況
2023年12月期第2四半期末の現金及び現金同等物の期末残高は、前期末比1,818百万円増加の4.069百万円となり、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては、法人税等の支払などがあったものの、営業収入などが増加し、2,307百万円の資金増(前年同期は1,778百万円の資金増)となった。投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資などによる支出により720百万円の資金減(同716百万円の資金減)となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、230百万円の資金増(同695百万円の資金減)となった。これは短期借入金が純増したほか、配当金の支払などにより資金が減少したことによる。

同社は、2022年12月期から2024年12月期までの3ヶ年キャッシュ・フロー計画のなかで、コア事業から創出した営業キャッシュ・フロー(約80億円)を設備投資(約70億円)及び新たな事業領域であるデジタルコマース事業、グローバル事業、フューチャーデザイン事業を含めた成長投資と株主還元(10億円以上)の拡充に割り当てるとしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

《SI》

 提供:フィスコ

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