貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8031 三井物産

東証P
3,282.0円
前日比
-23.0
-0.70%
PTS
3,285円
10:53 11/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.4 1.29 3.05 19.20
時価総額 97,453億円
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【杉村富生の短期相場観測】 ─夏の盛りの努力は必ず報われるもの!


「夏の盛りの努力は必ず報われるもの!」

●“すばらしい7人”の時価総額は1568兆円

 夏枯れ、波乱商状である。ようやくこの季節特有の展開になってきた。中国景気の減速、不動産不況が痛い。それにサマーバカンスだし、高校野球は佳境を迎えている。外国人を中心に市場参加者は少ない。それだけに、先物の動きに振り回される。国内勢(信託銀行経由)は9月決算を控え、利益確定売りを優先しているという。

 GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人・運用資産219兆円)が好例だ。国内株式のウェイトは25%だが、値上がり分は売る必要がある。実際、年初以降はずっと売り越しとなっている。しかし、こんな局面はいつも「買い」になろう。いや、受験生もそうだが、夏の盛りのけなげな努力は必ず報われる。

 もちろん、デフレ克服、日本再興戦略の効果を評価する猛反騰劇は始まったばかりである。「失われた30年」からの脱却と言い換えてもよい。なにしろ、長いデフレ時代、「失われた30年」の間に日本はすっかり“貧乏”になってしまった。家計資産はほとんど増えていない。アメリカは148兆ドル(約2京2000兆円)である。

 8月15日、ベトナムのEV(電気自動車)メーカーのヴィンファスト・オート<VFS>がNASDAQ市場に上場、初日の時価総額は12兆円を超えた(その後は暴落)。日本の自動車メーカーの時価総額はトヨタ自動車 <7203> [東証P]は別にして、ホンダ <7267> [東証P]、日産自動車 <7201> [東証P]など揃って負けている。悲しい話じゃないか。

 “すばらしい7人”と形容されるマグニフィセント・セブン(GAFAM+エヌビディア<NVDA>、テスラ<TSLA>のこと)の時価総額は1568兆円だ。東証プライム市場(1835社上場)の時価総額820兆円の約2倍である。ちなみに、アメリカ市場の時価総額は6907兆円だ。東京市場の8.5倍のスケールを誇る。

●話題のインバウンド関連の狙い目は?

 かつて、東京市場の時価総額がNY市場の1.5倍だった、なんて話をだれが信じるだろうか。日本の家計資産は3100兆円にとどまっているが、金融資産の5割強が現・預金では増えようがない。しかし、日本は変わりつつある。拡大NISA(少額投資非課税制度)がスタートする。個人の1000兆円の現・預金が出動すれば東証上場銘柄を丸ごと買える。

 この局面での狙い目はどうか。やはり、秘かに「PBR1倍奪回作戦」を推進中の三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]、ホンダ(9月末に1対3の株式分割を行う)、川崎汽船 <9107> [東証P]、ENEOSホールディングス <5020> [東証P]、太平洋工業 <7250> [東証P]などに注目できる。

 インバウンド関連では中国人観光客に人気の化粧品、服飾雑貨、キャラクター商品を扱っている粧美堂 <7819> [東証P]に妙味があろう。2023年9月期は第3四半期までに経常利益8億7700万円を確保、通期予想(8億2000万円)を上回っている。会社側は通期予想を6億3000万円から引き上げたが、一段の上振れは確実な情勢である。

 恐らく、1株利益は40~45円となろう。配当については5円増の15円とする計画だ。株価はジリジリと水準を切り上げているが、まだまだ評価不足だろう。8月中旬には中国政府が日本向けツアー(団体)旅行を解禁した。なにしろ、中国人観光客は2019年には959万人も訪れただけに、期待が膨らむ。

 一方、産油国の減産強化、中国政府の景気テコ入れ、欧米の利上げピークアウト説などを背景に、原油価格に上昇圧力がかかっている。INPEX <1605> [東証P]、三井物産 <8031> [東証P]、K&Oエナジーグループ <1663> [東証P]などはポートフォリオに組み入れておく必要があろう。

2023年8月18日 記

株探ニュース

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