貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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3289 東急不HD

東証P
964.9円
前日比
+5.1
+0.53%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.4 0.88 3.52 10.86
時価総額 6,946億円
比較される銘柄
三井不, 
菱地所, 
野村不HD

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【植木靖男の相場展望】 ─夏枯れどころかお盆高か


「夏枯れどころかお盆高か」

●攻防戦を制するのは売り方か、買い方か?

 日経平均株価は8月に入って3万3488円の高値を付けた後、わずか2日間で1300円も下げて目先的な天井を形成した。日米長期金利上昇や米国債の格下げが原因であると市場関係者は指摘する。それにしても、これらでこれほど大きく下げることはないはず。いつもの通り、天井を打つときは材料ではなく、市場の過熱感の高まりが背景にある。

 しかしその後は、8月4日~8日と小幅ながらも3営業日続伸。なんと6月9日~14日の4連騰以来、2カ月ぶりの3連騰であり、弱気相場と断定することもできない。

 実際、最重要水準とされる7月12日の3万1791円を下回らずに、目下、25日と75日の両移動平均線に挟まれる格好で踏ん張っている。7月12日安値を下回ると、典型的な三山天井を形成してしまう。いまはこの水準を巡って売り方、買い方の激烈な攻防戦が演じられているが、お盆高相場への期待が高まっている。

 材料的にはこれまで通り、米国株の動向と円相場がカギを握っている。米国景気は市場の期待通りにソフトランディングの態勢となっている。多くのアナリストが懸念した大不況には至らず、また直ちに株価が急落するリスクもなさそうだ。

 一方、円安はどうか。これは見方が大きく分かれる。アナリストは米国金利が先行き低下するのであれば、日米金利差の縮小から円高に転換すると読む。だが、はたしてどうか? 仮に長期金利が日銀の定めた上限1%を超えれば、地銀などの評価損は膨大なものになってしまう。その際、円は急落するとみる。しばらく息を抜けない日々が続くことになる。

●インフレ時代の到来がバリュー株の活躍余地を広げる

 こうしたなか、銘柄の物色動向が徐々に変化をみせ始めている。目下、テック株人気は依然高く、米国でもエヌビディア<NVDA>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>などはなお高値圏で堅調だが、アップル<AAPL>などすでに天井を打ったとみられるものもある。半導体は長期成長性があり、これからのAI(人工知能)の時代に不可欠のキーデバイスといえるが、関連株は相場的には休みも必要だ。

 日本でもテック株は次第に勢いを失いつつあり、替わって浮上してきたのがバリュー株である。東証によるPBR1倍割れ銘柄への改善要請がきっかけとなって、バリュー株は上昇に転じてきているが、その主役は明らかだ。 鉄鋼を筆頭に 海運陸運、空運などだ。

 いつものことだが、各業種の代表が上昇しないセクターの強さは本物ではない。その点、日本製鉄 <5401> [東証P]、日本郵船 <9101> [東証P]といった代表銘柄が先頭を切って上昇する鉄鋼や海運などの業種は強いといえる。今後、ますますバリュー株が活躍する地合いとなろう。

 では、なぜこうした銘柄が台頭するのか。わが国景気は30年に及ぶデフレ時代から脱して、いよいよインフレ時代に入っていくことがみてとれるからだ。

 銘柄選択の条件はいろいろあるが、やはり業績、流動性、知名度などである。かつての平成バブルを知っておくことが大事である。

 銘柄を挙げると、三菱重工業 <7011> [東証P]、日本郵船、東急不動産ホールディングス <3289> [東証P]、森永乳業 <2264> [東証P]、日本航空 <9201> [東証P]などの押し目は拾ってよさそうだ。

 そして、資源株も要注目だ。原油価格が1バレル=84ドル台に入ってきた。底入れしたとみてよい。INPEX <1605> [東証P]の急騰も頷ける。ENEOSホールディングス <5020> [東証P]、出光興産 <5019> [東証P]などに注目したい。

2023年8月10日 記

株探ニュース

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