タナベ Research Memo(6):実質無借金経営で財務内容は良好
■タナベコンサルティンググループ<9644>の業績動向
2. 財務状況と経営指標
2023年3月期末の総資産は前期末比586百万円増加の14,410百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では現預金及び有価証券が174百万円増加し、固定資産では有形固定資産が69百万円、無形固定資産が82百万円、投資その他資産が87百万円それぞれ増加した。のれん残高はカーツメディアワークスを子会社化したことにより、前期末比50百万円増加の735百万円となった。
負債合計は前期末比392百万円増加の2,700百万円となった。未払法人税等が88百万円、賞与引当金が46百万円、有利子負債が40百万円、前受金が34百万円、繰延税金負債が46百万円それぞれ増加した。また、純資産は前期末比193百万円増加の11,710百万円となった。配当金支出428百万円と自己株式取得90百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益724百万円の計上が主な増加要因となった。
経営指標を見ると、自己資本比率は前期末から若干低下したものの78.8%と引き続き高水準を維持しており、現預金及び有価証券も80億円以上と潤沢で実質無借金経営を維持していることから、財務の健全性は高いと判断される。収益性や効率性については、営業利益率で9.8%、ROEで6.4%、ROAで8.2%といずれも2期連続で上昇している。ただ、ROEの水準は中期経営計画の最終年度となる2026年3月期に10.0%の水準を目指しており、なお改善余地がある。同社は潤沢な手元キャッシュを成長のための投資資金(M&A含む)に充当し収益性を高めながら事業規模を拡大していくとともに、積極的な株主還元を継続していくことでROEの水準を引き上げていく方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ