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9644 タナベCG

東証P
1,025円
前日比
-17
-1.63%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
21.7 1.57 4.49 13.41
時価総額 179億円
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タナベ Research Memo(1):ビジョン策定、人的資本、ファイナンス・M&A等の領域が好調


■要約

タナベコンサルティンググループ<9644>は、今年創業66年を迎える日本の経営コンサルティングのパイオニア。大企業から中堅企業を広範にカバーし、企業が抱える様々な経営課題に対して戦略策定(上流)からデジタル技術も駆使した現場における実装・実行(中流~下流)に至るまで一気通貫で支援できる経営コンサルティング・バリューチェーンを全国地域密着で構築していること、またトップマネジメント(経営者層)アプローチによって顧客基盤の拡大かつ長期契約を実現していることが特徴であり、強みとなっている。

2022年10月1日に純粋持株会社体制へ移行し、商号を株式会社タナベコンサルティンググループに変更して東京証券取引所(以下、東証)プライム市場への上場を継続している。同社が営んでいた経営コンサルティング全事業は100%出資の新設会社、(株)タナベコンサルティングに承継した。また、2019年10月にBtoB企業を対象に営業のデジタルシフト支援を行う(株)リーディング・ソリューション、2021年1月にクロスボーダーを含むM&A全般の支援やバックオフィス部門に対するBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)等のDX支援を行うグローウィン・パートナーズ(株)、2021年12月にブランディング、CX(カスタマーエクスペリエンス)デザイン、マーケティングDX支援等を行う(株)ジェイスリー、2023年2月に国内外における戦略PR・PRコンサルティングやSNS・オウンドメディア戦略の支援等を行う(株)カーツメディアワークスをグループ会社化しており、コンサルティングメニューの拡充と相互送客を行うことでシナジー効果を高めている。

1. 2023年3月期の業績概要
2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比11.2%増の11,759百万円、営業利益で同24.4%増の1,152百万円と2期連続で2ケタ増収増益となった。中長期ビジョンの策定・推進、SDGs実装、人的資本経営の実装、持株会社化、M&A、ブランディング・マーケティング支援などをテーマとしたコンサルティング案件の需要が旺盛で、売上高は2期連続で過去最高を更新した。営業利益は人員体制強化に伴う人件費・採用費・教育費やテレビCM等のブランディング投資費用等の増加があったものの増収効果で吸収した。期末従業員数は566名と前期末比で71名の増加と順調に拡大している(カーツメディアワークス32名含む)。M&Aした子会社の業績も各社順調で協業案件が増加するなど、グループシナジーも着実に出てきているものと見られる。

2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期は、売上高で前期比6.3%増の12,500百万円、営業利益で同6.8%増の1,230百万円で計画している。景気の先行き不透明感が続くものの、足元も前期に好調だったテーマを中心に受注は堅調に推移しているもようで、特に人的資本経営については企業の規模を問わずニーズが旺盛だ。さらに、前期から本格的に取り組み始めた行政・公共分野についても専門人材の採用等による体制強化により受注拡大が見込まれる。そのほか、新たにグループ化した戦略PR支援や海外向けPR支援を行うカーツメディアワークスとのシナジーも期待できるため、今後景気が急速に悪化するなど市場環境が急変するようなことがなければ、業績は上振れする可能性が高いと弊社では見ている。

3. 中期経営計画
同社は中期経営計画の業績目標として、2026年3月期に売上高150億円、営業利益18億円を掲げている。2023年3月期までは2期連続で計画を超過するなど順調に進捗している。経営コンサルティングの上流から中流・下流領域までを一気通貫で支援できる経営コンサルティング・バリューチェーンと、全国主要10都市に事業拠点を置き、地域密着型サービスを提供できる強みを生かして、5つの経営コンサルティング領域(ストラテジー&ドメイン、デジタル・DX、HR、ファイナンス・M&A、ブランディング&マーケティング)すべてで拡大を目指し、そのためのM&A戦略も継続していく方針である。なお、同社は2023年2月に、中期経営計画で目標に掲げる「ROE(株主資本利益率)10%」の達成を確実にするために株主還元方針の変更を発表している。具体的には、2026年3月期まで連結総還元性向100%を目安に安定的な配当を継続し(株主資本配当率で6%以上)、自己株式取得についても機動的に実施する方針とした。同方針に基づき、2024年3月期の1株当たり配当金は前期比2.0円増配の44.0円(連結総還元性向147.6%)とし、また自己株式の取得枠拡大および取得期間延長(上限80万株、4億円、2023年12月末まで)も発表している。

■Key Points
・2023年3月期はグループシナジーも寄与し、2期連続で2ケタ増収増益を達成
・2024年3月期は行政・公共分野やPR領域にも注力し、売上高、営業利益で過去最高更新を狙う
・2026年3月期での売上高150億円、営業利益18億円の目標達成に向け順調な進捗
・2026年3月期まで総還元性向100%を実施、DOE(株主資本配当率)6%以上自己株式取得も適宜実施することでROE10%の達成を確実にし、プライム市場上場維持基準達成を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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