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大谷正之氏【週明けの日経平均大幅反発、もみ合い上放れか】(1) <相場観特集>


―中銀ウィーク通過、ここからの相場展望と個別株戦略―

 31日の東京株式市場は、日経平均株価が一時600円以上の上昇をみせるなど大幅反発し、フシ目の3万3000円ラインを突破した。前週末は取引時間中に800円を超える下落をみせるなど波乱含みの地合いだったが、大引けにかけ急速に下げ渋り、きょうは前週末の米ハイテク株高と為替の円安進行を受け一転してリスク選好ムードの強い相場となった。果たしてこの流れは続くのか。ここからの全体相場の見通しと個別物色の方向性について、先読みに定評のある市場関係者2人に聞いた。

●「不透明感薄れ新たな上昇相場スタートも」

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

 日経平均株価は6月中旬から調整局面を続けてきた。しかし、日柄的には調整はほぼいいところまできており、ここから新たな上昇相場に向けてのスタートを切る展開が期待できそうだ。

 先週は日米欧の中央銀行の金融政策決定会合が相次いだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)と欧州中央銀行(ECB)理事会は順当に通過した。しかし日銀金融政策決定会合は、やや荒れ気味となった。今回決定された長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の柔軟化の影響が気になるが、大幅な円高の進行などがなければ、株式相場に与える影響は限定的となりそうだ。今後、日銀が金融政策の正常化に向けての動きをどう織り込んでいくかが注目されるものの、今回の日銀会合でこれからの方向性が徐々にだが、みえてきたことは前向きに評価しても良さそうだ。

 足もとの日経平均株価は、3万2120円近辺にある13週移動平均線をサポートラインに切り返している。すでにTOPIXは33年ぶりの高値を更新しており、日経平均株価もTOPIXに追随する格好で、高値を更新することも期待できるだろう。こうしたなか、日経平均株価の8月相場の下値は3万2000円、上値は3万4500円前後を想定している。相場は上昇基調を見込んでおり、7月3日につけた終値ベースの高値3万3753円を更新する展開が期待できそうだ。

 個別では、小売りセクターで猛暑インバウンドなどに絡む銘柄に注目している。具体的には、ドラッグストアのマツキヨココカラ&カンパニー <3088> [東証P]やホームセンターのコーナン商事 <7516> [東証P]、DCMホールディングス <3050> [東証P]、衣料品のしまむら <8227> [東証P]、喫茶店のコメダホールディングス <3543> [東証P]など。


(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(おおたに・まさゆき)
1960年生まれ。立正大学文学部卒、83年丸和証券入社、営業を経て96年から現職。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト(CFTe)、AFP(日本FP協会認定)、(内閣府認証)NPO法人金融証券マーケットフォーラム理事。トレンドの芽をいち早くキャッチすべく、フィールド重視の調査を心がけている。

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