イチネンHD Research Memo(7):2024年3月期も年間50円配当を予想、今後は増配の可能性も
■中長期の成長戦略と株主還元
1. 長期目標は売上高2,000億円超、営業利益200億円超
イチネンホールディングス<9619>は正式には中期経営計画等を公表していないものの、成長戦略として掲げている既存事業の規模の拡大、海外展開の強化、積極的なM&Aの展開により、今後も各事業部門をすべて伸ばしていく計画だ。定量的な長期目標としては売上高2,000億円超、営業利益200億円超を掲げている。足元の状況はウクライナ情勢等の影響により不透明であるが、現時点でこの目標は変えていない。
2. 株主還元にも前向き
同社は明確な配当方針等は発表していないが、「配当性向20~30%を目途に配当を行う」と述べている。年間配当については、2021年3月期は40円、2022年3月期は46円(配当性向19.6%)、2023年3月期は50円(同20.3%)の配当を実施した。さらに進行中の2024年3月期も減益予想であるが50円配当(同21.9%)を宣言している。
会社は現時点で、「配当性向は20~30%を目途とする」としているが、財務面からは増配の余地はありそうだ。さらに、株主還元として行ってきた「持株数に応じたクオカードの進呈」を、2023年3月期末で終了したことから、これに替わる株主還元策として増配を検討する可能性はあると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
《YI》
提供:フィスコ