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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6920 レーザーテック

東証P
16,925円
前日比
+220
+1.32%
PTS
16,700.5円
01:54 11/28
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
20.6 10.61 1.70 21.41
時価総額 15,958億円
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国策の追い風強力、日本復活の鐘を鳴らす「次世代半導体」関連株 <株探トップ特集>


―生成AI市場拡大で出番到来、米中対立を背景としたサプライチェーンリスク解消へ―

 半導体関連株は国策の追い風が期待され注目場面が続いている。今月中旬に経済産業省がSUMCO <3436> [東証P]の新工場建設に支援を行うとの報道がなされ、同社株は11日の株式市場で一時9%高近く急伸する場面があった。こうした経産省の動きの背景には、足もとで急速に高まっている半導体の「サプライチェーン(供給網)分断リスク」がある。各国が自国においての製造・供給体制を強固にしようと奮闘するなか、とりわけ「次世代半導体分野」にマーケットの関心が高まっている。ここは関連銘柄に照準を合わせてみたい。

●政府と民間が力を結集する構図に

 経産省は、半導体素材メーカー大手のSUMCOが佐賀県に新規建設する二つの最先端のシリコンウエハー工場に対し、最大で750億円を補助すると発表した。同社は、新工場に伴う一連の投資総額を2250億円と見込み、実際の供給開始については2029年からの計画となっているもようだ。政府が民間企業1社を支援するという動きは単なるニュースフローの一つではなく、大きな国策としての流れが読み取れる。今のマーケットには、同じような「政府が半導体関連の企業を支援する」図式の話題があふれ返っている。

 SUMCOは半導体素材のシリコンウエハーにおける世界市場シェアは、トップの信越化学工業 <4063> [東証P]と合わせて5割を占める。ここで思い起こされるのは、TSMC<TSM>の熊本工場の話題だ。政府が巨額の補助金を支給し、ソニーグループ <6758> [東証P]やデンソー <6902> [東証P]など日本を代表する企業も運営会社に一部出資するなど、まるで一大国家プロジェクトかのような雰囲気も漂った。ちなみに、TSMCの第2工場についても同社の会長が「現在建設中の(熊本)工場のそばで土地取得を検討している」ことや「日本政府と補助金などについて交渉中」であることを明らかにしたと報じられている。

●米中対立で「供給網分断リスク」高まる

 また、TSMCを巡っては「ドイツに新しい半導体工場を建設する費用の最大50%をドイツ政府からの補助金で賄えるように交渉中だと、事情に詳しい関係者が明らかにした」とブルームバーグが報じている。米政府とも交渉中とみられるが、同様に工場の補助金に関する話題が出ているところだ。なぜ、各国が半導体関連の領域で企業の支援を進めているのか。それは、足もとで急速に「サプライチェーン分断リスク」が高まっていることが背景にある。

 主な原因は「米中対立」だ。これまではコロナ禍という世界的な異常事態に隠れていた印象もあるが、再び状況が変わった。例えば7月3日に中国政府は、半導体などの原材料となるガリウムやゲルマニウム関連製品の輸出を(8月1日から)規制すると発表した。半導体分野で対中輸出規制を強める米国などへの対抗措置とみられるが、コロナ禍からようやく平穏が取り戻されつつある社会の裏で、着実に地政学的な緊張感は高まっているのだ。

 実際、西村康稔経済産業大臣は会見で「シリコンウエハーは日本が世界シェアの過半数を占めていて、半導体の供給網の中で極めて重要な位置にいる。日本における半導体の製造基盤の更なる強化につながることを期待したい」とサプライチェーン強化に向けた期待感を述べていることからも意図が読み取れる。また、政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)が半導体材料メーカーのJSR <4185> [東証P]を買収することを公表した。この動きについては、外資系企業などに狙われる前に先手を打ちつつ、業界再編による更なる日本の競争力強化を図る狙いが隠されているとみている関係者も多い。

●生成AI対応の次世代半導体で注目される銘柄群

 日本政府に限った話ではないが、半導体の安定供給確保については経済安全保障上の重要課題として位置づけられている。特に 生成AIとの関係性が強い次世代半導体分野は要注目となる。半導体素材で中核となるSUMCO、信越化などに加えて、次世代半導体製造において必要不可欠な高い技術を有する銘柄への関心が高まりそうだ。

◆ジェイテックコーポレーション <3446> [東証P]~大阪大学と理化学研究所による研究成果の実用化に成功した同社の放射光用X線集光ミラーは、経産省が選定する「2020年版グローバルニッチトップ企業100選」の素材・化学部門にも選定。これまでオプティカル事業とライフサイエンス・機器開発事業の二つの事業を軸に経営資源を集中してきたが、次世代半導体向けの高精度マスク基板などで需要が高まっているナノ加工装置の開発を進める。

◆デンソー <6902> [東証P]~台湾の半導体受託生産大手ユナイテッド・マイクロエレクトロニクス・コーポレーション<UMC>の日本法人と、5月から300mmウエハーでの絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの出荷を開始した。電動車のモーターを駆動・制御するインバーターに採用されているパワー半導体には、発熱による電力損失の低減と小型化が求められており、同社はエネルギー損失を最大20%削減した小型で低損失な次世代製品を開発。

◆ディスコ <6146> [東証P]~7月にレーザー加工によるインゴットスライス手法「KABRA」を用いたGaN(窒化ガリウム)ウエハー生産に最適化したプロセスを開発したと発表。これまでウエハー取り枚数の少なさなどが課題であったが、GaNウエハー生産時における取り枚数増及び加工時間の短縮を同時に実現。

◆レゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]~ パワー半導体向けSiCエピタキシャルウエハーが、デンソー製のインバーターの駆動素子に採用されている。トヨタ自動車 <7203> [東証P]のLEXUS初のバッテリーEV(BEV)専用モデル、新型「RZ」に搭載されている。インバーターの駆動素子へのSiCエピウエハーの採用はLEXUSとして初。

◆豊田合成 <7282> [東証P]~昨年3月に大阪大学と共同で、GaNを用いた次世代パワー半導体向けの基板の大口径化に成功したと発表。世界最大級となる6インチを超える高品質なGaN基板を作製した。大口径化・高品質化はパワー半導体としての生産性・性能向上において重要なポイント。

◆レーザーテック <6920> [東証P]~最先端の半導体製造技術「EUV(極端紫外線)」向けの検査装置でシェアを独占。同社は最先端の半導体デバイスを開発する現場からの要請に応え、次世代のEUVマスクブランクス欠陥検査技術の確立に成功し、シェアを独占している。

◆日本電子 <6951> [東証P]~手作業が中心であった半導体検査で不可欠となるTEM(透過電子顕微鏡)において、サンプルの撮影を自動化し、データを取得することが可能な新機種を18年に市場投入している。自動化によってスピードだけでなく標準化できるメリットもある。

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