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7187 ジェイリース

東証P
1,272円
前日比
-21
-1.62%
PTS
1,283円
23:41 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.0 4.40 3.54 20.85
時価総額 228億円

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Jリース Research Memo(7):大都市圏でのシェア拡大余地大


■中長期の成長戦略・トピック

ジェイリース<7187>は、中期経営計画において、主力の住居用賃料保証、成長分野である事業用賃料保証、新事業分野である医療費保証等の3分野で、顧客ニーズに合わせた保証商品を拡大し、ノウハウによる差別化を図る戦略を掲げている。住居用賃料保証では、業界トップクラスの与信審査ノウハウを武器に収益力を維持・向上させ、不動産業界などの関連業界とのアライアンス等により利便性を向上させることで、シェア拡大を図る。事業用賃料保証では、商品優位性、提案力、与信審査ノウハウなどでの優位性をさらに強化・差別化し、これまで以上にマーケティングを強化することで、成長市場における業界No.1を目指している。

1. エリア戦略:大都市圏でのシェア拡大余地が大きい
同社は、九州が創業エリアであり、長年の地域密着営業により九州圏全体で約40%の市場シェアを誇る。売上高は安定しており、2023年3月期には前期比で1.7%増となった。今後は、フォロー営業を中心とした既存顧客の囲い込みを行う方針である。大都市圏(1都3県、愛知県、大阪府)では、2010年の東京進出を契機に成長してきてはいるが、市場規模の大きさに対して、同社の市場シェアは3%~4%と低く、拡大の余地が大きい。2023年3月期の売上高は前期比23.7%増と成長性が高かった。新規顧客開拓を中心とした積極営業や事業用保証とのクロスセリング等により今後も成長が期待できる。また、その他の地方圏においても業績拡大の余地がある。このエリアでの同社の市場シェアは0%~20%とばらつきが大きく、拠点展開の効率性が維持できる範囲での拡大を行う計画である。地方圏での2023年3月期の売上高は前期比21.7%増と成長性が高かった。今後も年2~4店舗を新規出店し、全国ネットワークの完成を急ぐとともに、地域に根差した手厚いサービスの提供を行う。

2. 未来投資:人件費・AIシステム・TVCMなど先行投資を加速
同社は、未来投資として、「人」「システム」「プロモーション」に先行投資をすることで中長期の成長を計画している。

(1) 人
「人」に関する戦略としては、人的資本経営を軸として、人材の育成・強化、戦略的配置、等級・報酬・評価制度の見直しを図る。注目の施策としては、業績連動賞与の導入(2023年3月期冬期賞与から導入済)、等級・報酬制度の新制度移行などがあり、順次実行に移されている。賞与額に関しては、従来の賞与額に比べ平均で約40%アップとなった。2023年4月からは賃金の大幅アップも行っている。新入社員の給与が約20%アップとなるほか、全社員の給与水準を向上する。また、扶養家族の人数に応じた家族手当の新設や社宅における社員負担割合の軽減、スーパーフレックス制度の導入など様々な制度の変更、導入を行った。これらにより優秀な人材の確保やモチベーションの向上が期待できる。


(2) システム
「システム」に関する戦略としては、業務プロセスの変革、各種データの統合管理、与信管理システムの強化を図る。「データ」面では、これまでに与信審査、顧客データの分析や保有情報のデジタル化推進などを行ってきた。また、「DX」面では、オンライン入居申込の提携拡大、自動与信審査システム開発、電子契約の導入、定型業務のRPA化など不動産取引に関する手続きのオンライン化が既に進んでいる。注目の施策としては、与信審査におけるAI分析の導入が挙げられる。これまで与信審査のモデル作りの作業はデータベースをもとに人手で分析してきたが、AIが最適なモデルを分析することで、与信審査の精度向上や業務効率化が期待される。2023年夏頃には本システムの稼働を予定する。同社では、DXを推進することで、2024年3月期の1人当たり売上高30百万円(2021年3月期は22百万円)を目指している。

(3) プロモーション
「プロモーション」に関する戦略としては、プロモーションの強化、デジタルマーケティングの展開を図る。2024年3月期の上期は、事業用賃料保証に関するプロモーションの一環としてTVCMを行う計画であり、既に全国ネットで認知効率の高い番組を選択して放映されている。俳優の満島真之介氏がテナントを借りた若手社長を演じるCM「オフィスにて…」編は、不動産オーナーの感情をユニークに表現しており、同社の役割やブランドを伝える上で強い印象を残すものとなった。業界での評判も良いという。同社では上期に集中して放映を行い(予算160百万円)、効果検証を行いながら、下期のメディアミックスに反映させる計画である。事業用賃料保証市場は、保証利用率が低く成長市場であるため、認知度の向上を図りつつ業界ナンバーワンを狙う。

3. ポテンシャルの大きい医療費保証市場で事業を育成中
医療費保証市場は、市場がまだ黎明期であるものの、ポテンシャルは大きい。参入から専門部門及び異業種とのアライアンスを組織したものの、コロナ禍が重なったため積極的な営業活動が制限され、限定的な成長にとどまった経緯がある。有望なプロダクトは、医療機関に対する「入院費等未収金保証サービス」であり、同社が独自に開発したものである。2023年3月期の売上高は67百万円、2024年3月期は前期比約1.5倍の100百万円に伸ばす計画である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《SI》

 提供:フィスコ

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