Jリース Research Memo(6):2024年3月期はアフターコロナ期の事業機会を捉え業績拡大予想
■今後の見通し
ジェイリース<7187>の2024年3月期の連結業績は、売上高で前期比13.7%増の12,460百万円、営業利益で同5.5%増の2,600百万円、経常利益で同4.2%増の2,570百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同3.8%増の1,730百万円と、過去最高業績を更新する予想となっている。
売上高は前期比13.7%増と、前期(19.6%増)と比べ緩やかな成長になるものの、外部環境はアフターコロナ期に入り、事業機会が拡大することが想定される。住居用賃料保証に関しては、人流の増加に伴う引っ越し需要の増加、入国制限緩和等による外国人労働者の増加、不動産オーナーのリスク回避意識の変化などにより、機関保証の需要は増加傾向が続くことが予想される。同社では過去2年間に出店した10店舗が戦力化するなど都市部でのシェア拡大が見込まれる。また、成長分野として注力する事業用賃料保証については、新オフィス・新店舗開設の増加により事業用保証の需要が拡大することが予想される。弊社では、業界の外部環境が良好ななか、足元で同社は業界のパフォーマンスを超える成長をしており、例年通り売上目標を超えてくると見ている。
営業利益は前期比5.5%増、営業利益率20.9%(前期は22.5%)と、高い収益性を維持するもののやや伸びが鈍化する予想である。この要因は、賃金の大幅ベースアップ等による人件費の増加(年間300百万円増)に加え、TVCMを軸としたプロモーション(約160百万円)を上期に実施するなど、繁忙期(第4四半期)の成長に向けた先行投資を行う計画であるためである。債権管理業務コスト削減や生産性向上は継続するものの、代位弁済発生率(6.2%予想)及び代位弁済回収率(97.0%予想)は若干悪化すると予想している。これは、物価上昇やコロナ関連の補助金効果の剥落等により顧客の賃料支払い状況に一定の影響が及ぶことを織り込んだためである。弊社では、やや保守的な利益予想と捉えており、上期の先行投資により認知度及び人的パフォーマンスが向上、売上規模の拡大による規模の効果が期待できることなどから、通期では利益予想を超えてくると見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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提供:フィスコ