高千穂交易 Research Memo(6):2023年3月期は、営業利益は前期比34.4%増(2)
■高千穂交易<2676>の業績動向
(2) システム
システムの売上高は9,630百万円(前期比2.7%減)、営業利益は92百万円(同31.6%減)と減収・減益となった。各サブセグメントの状況は以下のようであった。
a) リテールソリューション
売上高は3,152百万円(同16.5%減)となった。前期の大型案件の反動減により減収となった。光熱費の高騰等が影響し、小売業のセキュリティ投資が抑制されたことも減収要因となった。一方で、アパレルにおいては、新店・改装需要を取り込み、複合提案したことで売上は増加した。
主な向け先別の売上高は、GMS752百万円(前期比29.1%減)、ドラッグ733百万円(同15.7%減)、アパレル482百万円(同37.8%増)、家電472百万円(同44.7%増)、HC/スポーツ434百万円(同11.2%減)、モバイル54百万円(同51.2%減)、その他225百万円(同60.4%減)であった。
b) ビジネスソリューション
売上高は3,390百万円(同6.1%増)となったが、主に外資系オフィス向け入退室管理システムが、オフィス回帰による需要増を取り込み好調に推移した。また外資系データセンター向け入退室管理システムは引き続き堅調であった。
主な製品別の売上高は、オフィスセキュリティ1,717百万円(前期比4.3%増)、ネットワーク製品914百万円(同12.6%増)、RFID373百万円(同23.9%増)、メーリング386百万円(同11.1%減)であった。
c) グローバル
売上高は3,087百万円(前期比5.5%増)となった。タイの防火システム事業が前期のロックダウンによる影響から回復し、伸長した。また円安により海外子会社の収益がプラスに影響した。
(3) デバイス
売上高は11,344百万円(同29.3%増)、営業利益は776百万円(同57.1%増)となった。
a) エレクトロニクス
売上高は6,941百万円(前期比55.9%増)となった。新規商権の獲得とテレワーク需要により、家庭用プリンター向け電子部品が伸長した。また強い需要に加え、販売強化により、半導体製造装置向け電子部品や5G基地局向け電源モジュールも好調に推移した。また顧客深耕が進み、アミューズメント向け販売も伸長した。
主な向け先別の売上高は、コンスーマー633百万円(前期比81.4%増)、ビジネス1,309百万円(同126.5%増)、産業機器2,724百万円(同55.0%増)、アミューズメント497百万円(同116.1%増)、オート・ビークル341百万円(同43.1%減)、モジュール1,063百万円(同73.4%増)、代理店364百万円(同24.7%増)、その他7百万円(同76.7%減)であった。
b) メカトロニクス
売上高は4,403百万円(前期比1.9%増)となった。オフィス回帰等により複写機の生産が増加し、 海外複写機向けスライドレールが好調に推移した。また新紙幣改刷による需要を取込み、金銭機器(ATM等)向け機構部品が伸長した。一方で、米国金利上昇の影響を受け、米国住宅設備向けソフトクローズ部品の販売は減少した。
主な向け先別の売上高は、デジタル119百万円(前期比24.7%減)、リビング・ライフ1,160百万円(同20.3%増)、省力化1,852百万円(同16.7%増)、ワーク・教育511百万円(同2.9%減)、環境・エネルギー187百万円(同2.7%増)、医療・介護77百万円(同10.0%増)、交通21百万円(同95.3%減)、アミューズメント241百万円(同49.7%増)、ブロードマーケット230百万円(同4.1%増)であった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
《AS》
提供:フィスコ