EG Research Memo(3):2023年9月期第2四半期は、堅調な増収の一方で減益
■業績動向
1. 2023年9月期第2四半期の業績
イー・ガーディアン<6050>の2023年9月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比7.1%増の6,148百万円、営業利益が同20.5%減の940百万円、経常利益が同22.2%減の961百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同32.3%減の653百万円と増収減益となった。
増収額が大きかったのは、前年同期比で281百万円増となったソーシャルサポート業務が筆頭であり、増加率では前年同期比20.6 %増のアド・プロセス業務及び同17.5%増のサイバーセキュリティ業務が高かった。ソーシャルサポート業務では、コロナ禍で定着したECサイトのカスタマーサポート、Fintechの盛り上がりを背景としたキャッシュレス化の広がり及び本人認証の厳格化に伴い、eKYCサービスが拡大した。アド・プロセス業務では、インターネット広告・デジタル広告市場が拡大するなか、広告審査業務等が増加した。サイバーセキュリティ業務においては、3月決算の企業顧客を中心とした需要増を着実に取り込み、脆弱性診断から派生するワンストップサービスを提供し、業績を伸ばした。ゲームサポート業務は、海外企業のローカライズ業務が大幅に伸長したものの、国内市場の鈍化が影響し減収となった。
利益面では、営業利益が前年同期比20.5%減となった。要因としては、新規開設した博多センターの新設費用の一部と、アド・プロセス業務の一部大型案件の低収益化の影響があり、これらにより売上総利益が前年同期比で10.8%減となった。同社の事業特性上、センターへの投資の直後は稼働率が低くなり費用負担が大きくなる。なお、大型低収益案件の影響は一過性であり、下期には影響が残らない。
2023年3月末の財務指標では、自己資本比率78.9%、流動比率454.4%と安全性が極めて高い。現預金5,031百万円、有利子負債ゼロと資金(調達)余力も十分あり、今後のM&A戦略を有利に進めるうえでも準備が整っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
《SI》
提供:フィスコ