米国株高や日銀短観の改善を受けてザラ場高値に接近【クロージング】
3日の日経平均は大幅反発。564.29円高の33753.33円(出来高概算14億1000万株)と2週間ぶりの高値水準を捉えてきた。前週末の米国市場でハイテク関連株が上昇した流れを引き継いでいるほか、朝方発表された6月の日銀全国企業短期経済観測調査(短観)で、製造業・非製造業ともに市場予想を上回る良好な結果となったことも投資家心理を上向かせ、幅広い銘柄に買いが先行。後場中盤には33762.81円まで上伸し、6月19日に記録した取引時間中のバブル後の戻り高値(33772.89円)に急接近した。ただ、今週は米国市場で重要な経済指標の発表を控えているだけに、高値接近では利食いの動きも入りやすく、買い一巡後は高値圏でのもみ合いが続いた。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1500に迫り、全体の8割を占めた。セクター別では、33業種全てが上昇し、機械、電気機器、海運、化学の上昇が目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ダイキン<6367>、信越化<4063>が堅調で、この4銘柄で日経平均を260円弱押し上げた。一方、KDDI<9433>、ネクソン<3659>が軟化した。
6月30日の米国市場は、PCEデフレーターが、総合・コアともに前月から鈍化する結果となり、米国の金融引き締め観測が後退し、主要な株価指数はそろって上昇。なかでもSOX指数が1.6%超の上昇となった。また、「東エレクが生成AI(人工知能)関連の需要が2025年3月期前半にも業績貢献するとの見通し」と伝わったこともあり、半導体関連株などを中心に値を上げる銘柄が増加した。
リスク許容度の高まりから買い意欲が強まっており、34000円を目指す動きが意識されてきた。このため、今週末や来週初にかけて警戒される上場投資信託(ETF)の分配金捻出に伴う換金売りという需給悪化要因も懸念材料にはならないとの声も聞かれる。一方、米国では6月のISM製造業景気指数が発表される。5月分は特に新規受注が悪化し、米国経済が失速する可能性が示唆されただけに、6月も同様の傾向が見られるかどうかが注目され、米国市場の動きは警戒が必要だろう。
《CS》
提供:フィスコ