タクマ Research Memo(7):営業利益、経常利益は前期比減少も、受注高は引き続き堅調な需要を見込む(1)
■今後の見通し
1. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績は、売上高で前期比2.3%増の146,000百万円、営業利益で同18.2%減の11,300百万円、経常利益で同18.3%減の12,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同13.7%減の8,300百万円の見通しである。市場動向を見ると、老朽化した一般廃棄物処理プラントの更新や延命化対策、エネルギー政策を背景としたバイオマス発電プラントの建設などタクマ<6013>の主要製品には引き続き需要が見込まれている。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の混迷や鋼材をはじめとする資機材価格の上昇や納期の長期化など、先行き不透明な状況が継続している。
同社の事業の特性として、プラント工事の進捗が年度によって異なるため、単年度の業績には波があるも、ごみ処理プラントの更新・長寿命化・バイオマス発電プラントの新設など堅調な需要を背景に、引き続き高水準で推移するものと見込んでいる。環境・エネルギー(国内)事業のEPC案件の構成変化に加えて、研究開発・人材への投資の増加及び播磨新工場の稼働に伴い減価償却費の増加等を見込んでいることから、各利益は減益になるものと予想している。同社は今後も経営資源の拡充を進め、着実な受注の継続とストック型ビジネスへ注力すると同時に、成長分野への投資を継続することで、持続的、安定的な成長を推進する見込みである。
同社グループは、納期が期末直前となる工事が多いため、第4四半期にかけて進捗、引き渡しが増加し、それに応じて、業績も第4四半期での売上高が他の四半期と比べて増加するなど季節的な変動が大きいことから業績管理は年次のみで行うこととしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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提供:フィスコ