コニシ Research Memo(9):中期経営計画の方針で今後3年間の株主還元累計金額は120億円が目安
■株主還元策
コニシ<4956>は2017年3月期より、「毎期の業績等を勘案しながら利益を還元するとともに、継続的な配当を実施する」ことを基本方針としてきた。しかし今回新たに発表された「中計経営計画2026」では、「株主還元」を大きな方針の1つに掲げており、基本方針として「自社株取得60億円」「連結配当性向30%以上」「総還元性向平均60%となる今後3年間の株主還元累計120億円」を宣言した。この方針に基づいて、前期(2023年3月期)の年間配当49円に続き、進行中の2024年3月期は5円増配し、年間配当54円(予想配当性向30.8%)を予定している。
同社は、自社株買いに積極的であり、現在(2023年3月末)でも5,298、801株(5,904百万円)の自己株式を保有している。さらに記述のように、今後3年間で60億円の自社株買いを行い、原則これらを消却することを発表している。過去の自社株買いは、創業家などの大株主から放出希望が出たことに対して行った、いわば「受け身」の自社株買いであったが、今後の自社株買いは同社自身の判断で行う「能動的」な自社株買いである点は注目したい。
このように、中期経営計画の中に明白に株主還元の方針及び目標金額を盛り込んだ同社の姿勢は高く評価できるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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提供:フィスコ